映画会社に23年間勤務しながら、1989年から30年に渡りアカデミー賞を見続けているMs. メラニーさん。2017年にTBSラジオ番組「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」(現在は「アフター6ジャンクション」)に“オスカー予想屋”として登場以来、アカデミー賞シーズンの風物詩ゲストとなっています。

2018年第90回アカデミー賞では、全24部門中21部門の受賞を的中したMs. メラニーさん。ちなみに今年は、作品賞を含む17部門を当てています。

さて、アカデミー賞といえば受賞スピーチ。アカデミー賞をこよなく愛するMs.メラニーに、今年の第92回の中で心に残ったスピーチについて語ってもらいました。

※以下、Ms. メラニーさんによる寄稿。

政治的なメッセージが目立った

第92回、私にとってウォッチを初めて30年目の節目となるアカデミー賞授賞式は、例年より早い2月9日(日本時間10日)に行われました。振り返ってみると、歴史的快挙はあったものの、全体的にはハプニングの少ない、穏やかな授賞式になったと思います。2年連続司会者不在の進行も問題なく、いつもよりだいぶ短い3時間半余りで放送が終了しました。ノミネーションに比較的スターの多い年でしたが、視聴率は過去最低を更新したとも聞いています。

左から、ホアキン・フェニックス、レネー・ゼルフェガー、ブラッド・ピット〔PHOTO〕Getty Images

今年の受賞者の顔ぶれで言えば、主要の俳優4賞は下馬評の通りホアキン・フェニックス、レネー・ゼルウェガー、ブラッド・ピット、ローラ・ダーンの4人が受賞しました。多くの年と同じように授賞式の最初の賞は助演賞。今年はブラッド・ピットが受賞者となりましたが、ベテラン揃いの候補者の中、アンソニー・ホプキンスとジョー・ペシの姿はなく、全員揃った姿が見たかったな、と少し残念でした。

そのブラッド・ピットに始まり、今年の受賞者のスピーチは政治的なメッセージを反映したものが多いのが特徴でした。ちょうど大統領選挙の年である今年は、民主党支持者が多く存在するアカデミー協会員にとっては深刻な年です。大統領の座を奪還するための11月の選挙に向けて、既に運動が始まる中、先月イギリスで起こったEU離脱(Brexit)など悲観する要素も多かったためか、受賞者が著名であればあるほど、メッセージ性の高いスピーチとなりました。