決算発表で判明…日産は「ゴーンの手法」を今こそ見習うべきという皮肉

大きな赤字を恐れない覚悟を
井上 久男 プロフィール

たとえば、北米では他社が2年半から4年でモデルチェンジしているのに、日産は約5年でモデルチェンジしているため、商品力で劣後している。

こうしたゴーン経営時代の「負の遺産」に日産は苦しんでいるわけだが、それに対する処方箋として、かつてゴーン被告がやった「リバイバルプラン」のように、過剰な設備と人員をさらに削減する必要がある。雇用を守る大切さはあるものの、そこにこだわり過ぎると、かえって将来の雇用維持に禍根を残すリスクもある。

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今の日産の置かれた現状を考えれば、むしろ一気に特別損失を計上し、過去の負の遺産の膿出しをして、将来の成長に備えるべきだが、今回の決算では中途半端な黒字を維持してしまった。

 

「負の遺産」を処理すべき

グローバルで1万2500人削減するなどの再建計画を昨年5月に発表した時点から見ても、日産の販売は落ち込んでいるし、中国における新型ウイルスによる肺炎の影響でリスク要因は高まっている。

このため、2020年3月期決算の業績をボトムとして、21年3月期以降は反転攻勢に出るとしていた再建計画の信ぴょう性は、日産社内の中でも低くなっている。日産社内からは「20年3月期決算で将来のリスク分も損切りして一気に特損を積み、数千億円の最終赤字にしない限り21年3月期以降の反転はない」といった危機感を訴える声も出ている。