# ココイチ # カレー

ココイチの「客離れ」が止まらない、“値上げ”よりも致命的な原因

強気の価格戦略も限界を迎えた
井上 岳久 プロフィール

生き残るのは「本格」か「簡便」だけ

カレー専門店の台頭によって、ココイチのビジネスモデルが限界を迎えていることは、業界の構造の変化から見て明らかです。

カレー業界はこれまで特殊なものでした。チェーンとしては決して安くなく、味も画一的なココイチがそれでも強かったのは、そもそもカレー専門店が少なく、また味を求めるにも、ホテルで提供される極端に高品質・高価格のカレーぐらいしかなかったからです。

 

ところがここ数年で、ファミレスや吉野家といったカレーチェーン以外の業態でカレーを安く提供する店が増えてきたことで、「安くカレーを食べたい」客層がそちらに奪われつつあります。さらに「美味しいカレーを食べたい」客層は、ココイチで1000円を出すならと、カレー専門店を選ぶようになります

さらに、脅威は外食店に限りません。レトルトカレーや冷凍カレーのクオリティが劇的に向上し、家でも美味しいカレーが作れてしまうようになりました。すでにレトルトカレー市場は500億円規模にまで成長しています。

Photo by IStock

こうなると、カレーの外食は2極化していくと筆者は考えます。すなわち、「本格」か「簡便」か、です。家で食べることのできないプロの味を求める人はカレー専門店に行き、手早く安価にカレーを食べたい人には、提供の早い牛丼チェーンなどやカレースタンドに行く、という流れに今後なっていくかもしれません。

明確なポジショニングをとらなかったため、中途半端な存在になりつつあるココイチ。将来、生き残るための分かれ目は、「本格」か「簡便」か、そのどちらを選ぶかにかかっているでしょう。

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