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ココイチの「客離れ」が止まらない、“値上げ”よりも致命的な原因

強気の価格戦略も限界を迎えた
井上 岳久 プロフィール

ここまで強気の値上げができたワケ

ココイチの価格戦略は、業界では「トッピング積み上げ方式」と呼ばれるものです。これは、ベースとなるポークやビーフなどの安価なカレーに、利益率の高いトッピングを積み上げることで、カレー単価の増加を狙う方式です。

そもそも、ココイチのカレー自体の味は、特筆して美味しかったり、独自性があるわけではありません。まさに、家庭の素朴な味をイメージした日本人が食べ慣れてる普通のカレーです。

オーソドックスな「ポークカレー」(画像:CoCo壱番屋公式HPより)

つまり、変にこだわりが存在しない分、ココイチには「まずい」「食べにくい」といったマイナス要素が付きにくいという強みになったと言えるでしょう。

さらに強みとなったのが、まさにトッピング。ココイチといえば、ご飯の量やカレーソースの辛さに加え、カツやチーズ、スクランブルエッグなどの豊富なトッピングを選び、自分好みの組み合わせで食べる仕組みが人気です。

「1億通り」と呼ばれるトッピングの組み合わせを作り出したことで、他のカレーチェーンにはない個性を生み、結果として、多くのファンを獲得することにつながったのです。

 

加えて、カレーとトッピングとを別建てにしていることは、消費者に対する心理的なメリットもあります。なぜなら、ベースとなるカレーだけでなく、トッピングもほぼ毎年のペースで値上げが行われていますが、消費者にとって一連の値上げ幅が非常に小さく映るからです。

昨今、外食チェーンは軒並み値上げによって客離れに苦しんでいます。しかし、ココイチはこのトッピング積み上げ方式によって、他の外食チェーンよりも客離れを抑えられたと考えられます。