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新型コロナ、医師の警告を活かせなかった「中国国家体制」の重大欠陥

個人間の草の根情報が事態を変えるか

「悪い情報を隠蔽する」という中国の体制が、コロナウィルス感染拡大を広めたことは否定できない。これを契機として、情報公開に関する中国の政策が自由化に向けて大転換することを期待できないか?

 

無視された医師の警告

コロナウィルスに関するニュースの中で、中国の1人の医師の死亡記事が世界の注目を集めた。この医師は、武漢中心病院の李文亮医師。昨年12月30日、「7人がSARS(重症急性呼吸器症候群)にかかり、私たちの病院に隔離されている」とSNSに投稿した。

警察は、これを社会秩序を乱すデマだとして問題視し、1月3日に李氏を呼び出して訓戒処分とした。この時、8人の医師が処分されている。

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李医師は、処分されるおそれがあると知りつつ、警告を発したようだ。そして、病院で治療にあたり、感染して死亡したのだ。

疫病に関して、現場の医師の情報は重要だ。このとき、それを重視して即座に対応すれば、拡大を防止できたかもしれない。

しかし、その当時、中国当局は、情報を押さえ込むことに終始した。その結果、感染が拡大してしまったのだ。ここに、中国という国の重大な欠陥が現れている。