ついに国内初の死者…新型肺炎「分かっていること、分からないこと」

そして自分の身をどう守ればいいのか
伊藤 功朗 プロフィール

そこで感染防御法だが、まず、全ての患者の血液・体液は感染性があるのものとみなして、医療者は個人用防護具(personal protective equipment、PPE)を身に付ける。

これには、手袋、ガウンやエプロン、マスク(後述)、ゴーグルやフェイスシールドがあり、行う診察や処置により用いるものが変わってくる。これに手指衛生(アルコール製剤による手指呼消毒)を加え、「標準予防策」と呼ぶ。

加えて、病原体によって、接触感染予防策(患者は個室などに隔離、医療者は手袋、ガウン・エプロンが中心の防御)、飛沫感染予防策(患者は個室などに隔離、患者・医療者ともにサージカルマスクを着用)、もしくは空気感染予防策(患者は陰圧室に隔離、サージカルマスクを着用、医療者はN95マスクを着用)を講じる。

新型コロナウイルスに対しては接触感染予防策と飛沫感染予防策を講じることが必要である。しかしながら、ダイヤモンド・プリンセス号での検疫官が感染したと2月12日に発表された。予防策は完璧ではないようだ。

 

では、健康な人の防御はどうするのか。

病原体の体内への侵入は、正常な皮膚の表面に着くだけでは通常起こりにくく、喉や鼻、気管支・肺、眼、消化管、性器などの粘膜などに付着して起こる。病原体によって感染を起こしやすい部位は様々である。

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新型コロナウイルスが発生してからマスクを着用する人が増えている。ところが、一般人の感染予防についてマスクは効果が薄いというインフルエンザなどでの研究があり、マスク着用による予防効果には議論がある。

忘れがちだが、一般人も接触予防策を行う必要がある。つまり、手指をこまめに洗ったりアルコール消毒したりするというものだ。患者からの飛沫をダイレクトに吸い込む危険もあるが、自分の手についたものを、自分で鼻や口を触れることで感染すると考えられるからだ。

筆者はというと、マスクで覆うことにより自分の手で鼻や口を触ることがほとんどなくなるので、着用していることが多い。しかしながら手洗いが根本的な感染対策と考えていただきたい。

現状、マスクは品薄状態と聞く。貴重なマスクをつけるなら、正しいつけ方(鼻と口の両方を覆うこと、顔面に密着させて隙間をなくすこと)をしてほしい。なお、感冒の症状がある人はマスクを着用し、手洗いに励むべきことは言うまでもない。