9個の点を1本の線で結ぶ方法とは? 夢を叶えるための「IE」講座

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ステップ(2)は「多くの良いアイデアを出すためのキーワード」です。「前提条件を疑うこと」から始めましょう。

 

ステップ(3)は「夢の改善に向けたキーワード」になります。次の「ナインドット問題(The Nine Dots Problem)」を考えてみてください。

「発想の転換」を練習しよう!

【演習:ナインドット問題 】
「9個の点を4本の直線で一筆書きにして結びなさい」

ナインドット問題ナインドット問題

9点を5本の線で一筆書きにするのは簡単でしょう。しかし、この問題では4本の直線しか使えません。さて、あなたはどう答えを導き出しますか。

この問題を解くキーワードは「発想の転換」です。

一見すると、9点で作られる四角の枠の中で考えがちですが、枠から線を飛び出させながら、傘を描くように書いてみると、4本の直線で一筆書きができます。

さらに、3本と1本の直線で一筆書きする場合も考えてみましょう。

3本の場合も同様に、枠を大幅に飛び出し、点の円に面積があると考え、円の面積内で斜めに線をつなげていけば、3本の一筆書きができます。

1本の場合ですと、この1本がものすごく太い線だと考え、9点の点を全部ぬりつぶすようにひくと、1本の一筆書きが可能になります。

このように一見どうすればいいか分からない、検討がつかない問題でも、固定概念にとらわれず、発想の転換で問題解決を試みると答えが見えてくるものなのです。小さな改善から始め、発想の転換で問題解決をしていき、それを積み重ねていく、これが夢につながっていくのです。

ナインドット問題の解答いろいろ

日本の「IE」は世界に誇れる!

アメリカで1900年ごろに誕生した「IE」という学問の世界で、とても有名なのがトヨタ自動車の「リーン生産方式」です。

1950年代、故大野耐一副社長が工場の改革に着手し、その軸としたのは「現場の1分1秒を大切にすること」でした。「7つのムダとり」「ジャストインタイム(JIT)」「自働化」を軸にして行われ、その改善活動は、リーン生産方式といわれ、今でも研究し続けられています。

私は昨年、アメリカ初、すなわち世界初の「IE」学科が設立されたペンシルバニア州立大学で1年間学んでいたのですが、その生産に関する講義の3分の1はトヨタの「リーン生産方式」を中心とした、日本の「改善」に関する内容でした。日本の「モノづくり」、またそれに伴う「改良し続ける技術」は、世界中が研究し続けるほど有名で、誇れるものなのです。

「IE」は、「人」「物」「金」「情報」「時間」を広く学び、科学的に有効なアプローチを見つけ、生産性を向上させるための活動をする学問です。

それぞれのデータをとって分析し、図式化することで、ムダが見えてきます。そのムダを排除することによって、より効率的に生産性をあげるための活動が何かを見つけていくのです。夢に向かって、さまざまなデータをとり、それをもとに考えて、より良くしていくこと、これが「IE」なのです。

日本中、世界中の工場や企業で有効活用されている「IE」は、じつは日々の暮らしの中ですでに体験していること、またそれが役立っていることを再確認してほしいと思います。 そして、自身の夢に向かって、小さな改善から進めていってほしいと願っています。

改めて尋ねさせてください。ここが「IE」のスタートです。

「あなたの夢は何ですか?」

松本 俊之(マツモト トシユキ)
所属:青山学院大学 理工学部 経営システム工学科
担当科目:IE技術、生産システム設計、モデル化技術実験、モデル化技術入門、シミュレーション工学、カイゼンマネジメント特論Ⅱ(大学院)
専門分野及び関連分野:IE、改善技術、生産情報システム、経営工学教育、環境教育
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