「富士山噴火」は予測できないのか…国力と共に監視力が弱りつつある

このままでは後手に回ることに
鴨川 仁 プロフィール

戦後最大の火山災害はなぜ予測できなかったのか

だが、2014年御嶽山の噴火では犠牲者が60人を超えるという戦後最大の火山災害があった。噴火の前兆検知で警戒レベルを変えられなかったのかという疑問に対し、地震計が故障などの人為的な問題が指摘され、裁判にも発展した。また、東日本大震災以前は20年近く、日本全国の各火山で噴火が少なかったこともあり、大学などに所属する火山研究者の数が激減してしまったことも、監視が不十分になる遠因とされた。

甚大な被害をもたらした2014年の御嶽山噴火 photo by gettyimages
 

そのため、近年、文科省は研究者を増加するさせるための次世代火山研究・人材育成総合プロジェクトを立ち上げ、気象庁は一部の職員を火山担当に振り返るという対応を取った。このような努力がただちに行われたとはいえ、一度減った人材を元に戻すことは早々にはできない。

ノーマークだった火口が…

2018年、草津白根山にてノーマークだった火口に噴火が発生し、犠牲者を出した事例を見ても理解できるように、確度の高い火山噴火予測は現在でもまだ難しい。

しかし、2000年の三宅島噴火など噴火予測が減災に効果をもたらせた事例も多々あり、地震予測に比べれば全く歯が立たないわけではない。言い換えれば、十分な監視態勢が噴火の前兆を捉え、効果のある判断に至ると見込まれる。