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「富士山噴火」は予測できないのか…国力と共に監視力が弱りつつある

このままでは後手に回ることに

気を抜くことができない現状で

「富士山が大噴火したら…」そうした警鐘やシミュレーションが各メディアで長く騒がれてきた。2000年などに「低周波地震」とよばれるマグマの活動に起因する現象も報告されており、過去の履歴から推察しても、中期的な視野で噴火はいつ起きてもおかしくないと多くの識者は指摘している。しかし、どれくらい近い将来に起こり得るのか、明瞭な答えは出ていない。それどころか、富士山の監視体制が弱体化してさえいるのが現状だ。

富士山が現在の美しい姿になったのには、新富士山と呼ばれる5000年前からの活動で形成されたという過程がある。歴史書物が存在する有史以降、過去1500年だけでも20回弱の噴火が報告されている。最後の噴火は1707年の宝永噴火だ。その後、約300年の沈黙があり現在に至っている。

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沈黙を続ける富士山であるが、いつ次の噴火が起こるかは、大地震発生も関わっている。大地震後における火山噴火の可能性は、学問的によく知れた事実であり、その仕組みは明瞭には解明されていないものの、そのような現象があることは多くの研究者が認めるところである。

1707年の宝永噴火についていえば、噴火の49日前に南海トラフにてマグニチュード8.6を超えるとみられる大地震が発生している。そのような視点でみると、2011年3月11日東日本大震災では、3月15日に富士山のお膝元である富士宮で、誘発地震とみられるマグニチュード6.4の大きな地震が発生している。地震の断層がマグマだまり付近であったため、この地震をきっかけに噴火するのではないかと研究者達はヒヤリとした。

大地後の噴火発生は地震後数年以内で多いと言われているが、いまも気を抜くことはできない。または、30年以内に発生する確率が8割にもなる南海トラフでの巨大地震直後、という可能性も十分ありうる。