楽天に怒りの鉄拳…公取委員長が「三木谷社長の横暴を許さない」ワケ

これはプラットフォーマーへの警告だ
伊藤 博敏 プロフィール

パラサイトの時代は脱出不可能

今年のアカデミー賞は、韓国映画『パラサイト 半地下の家族』が、英語以外の作品としては、初めて作品賞を受賞した。

全員失業中の半地下の家族と、高台の豪邸に住むIT企業社長の一家。監督賞も受賞したポン・ジュノ監督のテーマは、前作『スノーピアサー』も含めて、底辺の人々が直面する社会システムへの怒りとその破壊である。

 

ユーモアを交えた格差社会への怒りが、観客の共感に繋がり、凄惨な結末を納得させる。それが世界共通の思いであることをアカデミー賞受賞は伝える。

高台の豪邸と底辺の暮らしの二極化は、かつても映画のテーマであり、57年前には巨匠・黒澤明監督が『天国と地獄』で描いている。山崎努が演じる医学生は、谷底の街から高台に住む三船敏郎が演じる企業経営者を憎み、息子の誘拐に及ぶ。

ただ、この時代の二極化は、その後の高度経済成長によって多くの中産階級を生み、大量消費時代となって解消された。だが、パラサイトの時代は脱出のしようがない。

なかでも、巨大プラットフォーマーは無料サービスの対価として得た個人情報を利用、電子商取引に生かすだけでなく、利用者に好みの衣食住環境を提供、銀行、証券、保険といった金融サービスはもちろん、医療、教育などあらゆる分野をプラットフォーム上で賄えるようにする。