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米大統領選史上最悪のミス!? アイオワ大混乱の現場で何があったか

ルポ 2020年米大統領選

アイオワはなぜ叩かれたか

米大統領選の民主党指名争いは現地2月11日に2州目のニューハンプシャーが終了した。アイオワに引き続き、サンダース、ブデジェッジ両候補が上位を占めた。

サンダース候補(右)とブデジェッジ候補サンダース候補(右)とブデジェッジ候補〔PHOTO〕gettyimages

ところで、大統領選を見る上で、1つ注意点がある。それはアメリカのメディアや政治評論家もそのまま鵜呑みにはできないことだ。「反トランプ」か「親トランプ」かの党派バイアスだけではない。アイオワを例に説明する。

現地2月3日のアイオワ党員集会は「混乱」として報道された。開票結果がその日のうちに出なかったからだ。それは事実なのだが、米メディアや政治関係者の「アイオワ叩き」には個別の「事情」もある。

まず重要なのは、そもそもアイオワ党員集会は3回連続で問題を起こしていることだ。

 

2012年にはアイオワ共和党が集計間違いを起こした。ロムニー候補を1位と発表したものの、後日サントラム候補が勝利と判明。共和党が今ひとつ民主党を叩けないのは、みっともない2012年の誤集計事件があるためだ。

2016年には民主党でサンダース陣営がヒラリー陣営の勝利は間違いだと異議申し立てる騒ぎがあった。一部の投票区に疑義があった。

前回までの党員集会では点呼カウントだけで紙データの証拠が残っていなかった。サンダース陣営は「集計に時間がかかってもいいので、紙に書かせて証拠を残せ」と再集計可能な方法への変更を求め、今回から点呼だけでなく「第1希望」「第2希望」を書く「プレファレンスカード」なるものが導入された。

後述するが、このカードの導入が混乱の一因になった。また2012年の共和党事件のトラウマから1票の計算ミスもあってはならないと現場は神経質だった。つまり2020年の「混乱」は前の2回の両党の「混乱」と絡んでいる超党派の問題だった。

混乱自体のマグニチュードは、2012共和党「集計ミス」、2016民主党「結果異議申し立て騒動」、2020「集計結果の遅延」の3つを並べると、今年が特別重度というわけではない。

ではなぜ、大統領選史上最悪のミスかのような報道になっているのか。