「数泊で数十万円も」

乗船予定の船だったこともあり、成り行きが気になって仕方がなく、注意深くニュースを追っていました。当初、メディア各社はその時にある限られた素材をぐるぐると使いまわしていました。

それは、ゴージャスなロビー空間だったり、シックで豪華な劇場内部だったり。
いかに船内が贅沢であるかをアピールする動画に、「数泊で十数万もする」といったテロップもあわさり、視聴者をなんとなく否定的な気持ちに誘導していたように感じます。

ダイヤモンドプリンセス号公式HPより
ダイヤモンドプリンセス号公式HPより

今でこそ、乗客の置かれている衛生状態や医薬品不足のこともあって心配の声が挙がっているものの、最初の頃は「あんな贅沢な旅行をしているんだからいい気味だ!」とまるで自業自得といわんばかりの言葉を発する人も実際周囲にいました。

「豪華客船、数泊でうん十万も!」

確かにこの表現は間違いではありません。ただ、どれだけの人が「豪華客船、数泊でうん十万も!」の、最後の「も」の意味を読み取れたでしょうか。

豪華客船のクルーズ旅行は果たして贅沢なのでしょうか。

それが、違うのです。
本当は私は「クルーズ船はコスパが高い」ということを記事にしたくて、担当している「暮らしニスタ」という媒体の読者と一緒に乗船取材する予定だったのです。