昨今、国民が大注目している、大型クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号での船内感染のニュース。

乗りたかった……。
いや、乗らなくて良かった…。
正しく言うと、「乗れなくて」良かった。

実は、なんと私は去る2月4日、今やものものしい雰囲気の横浜・大黒ふ頭から、ウキウキした気持ちに一生懸命フタをしながら、クルーズ旅行取材という大義名分であの豪華客船に乗り込む予定だったのです。

2月3日から横浜港に寄港し、いまなお乗客乗員が船内に隔離されている「ダイヤモンド・プリンセス号」。乗客2666人、乗組員1045人、合計3711名の乗船者(厚生労働省の発表より)のうち、2020年2月11日現在で新型コロナウイルス感染者は174名と報じられ、集団感染はまだまだ増加の兆しです。さらには持病がある乗船客の薬不足なども心配されています。現在乗船している方々が一日でも早く安心して普段の生活に戻れること、また感染して治療している方々の快復を願ってやみません。

同時に、クルーズ旅行そのものにも注目が集まっています。まさに同じ船に乗る予定だったのが、「暮らし」の様々な情報を提供する「暮らしニスタ」編集部の松井元香さん。松井さんに改めてクルーズ旅行の実態を伝えてもらいます。
2019年9月、高松に寄港した時のダイヤモンドプリンセス号。乗客は日本人も多い Photo by iStock

あれ、これ乗る予定の船?

いやな情報を耳にしたのは、出航予定日の2日前、2月2日日曜の夜でした。
既にイタリアで別のクルーズ船にいた乗客1人がコロナウイルス感染の疑いがあるとして(後の検査でその乗客は陰性と判断)、乗員乗客7000人が海上で軟禁状態になっているというニュース。続報を知りたくて「クルーズ船・新型肺炎」で検索したところ、別のクルーズ船を降りた乗客から新たに発症者が出たとの新情報をキャッチ。

なになに、今度は日本からのクルーズ船? えええーーっ?
横浜を出て香港に入港……。む、胸騒ぎがする。
えと……いつ横浜を出て、いつ香港へ?

当初、クルーズ船の名前は公にされていませんでしたが、航路と日本出航日を調べていくと、どう考えてもこれってビンゴ、私が乗る予定の船じゃない? 
クルーズ会社からの連絡をヤキモキしながら待ち続け、結局出航予定前日の3日夕刻になって正式にクルーズ旅行のキャンセルが通達されました。

香港の乗客の新型コロナウイルス発症があと1日遅れていたら、私は今も船上の人でした。 私は間違いなくあの船内で途方に暮れていたに違いありません。

松井さんの乗船チケット。現在停泊中のダイヤモンド・プリンセス号に大黒ふ頭から2月4日に乗船予定だった 写真提供/松井元香