「左翼/右翼」の意味をはじめて知った学生と考える「政治意識」のこと

フランスと日本の狭間で
西山 雄二 プロフィール

授業の2回分は、フランス人留学生数名に登壇してもらい、履修学生らとの対話の時間としている。フランス人学生は政治的主題に関して、物怖じすることなく発言する。

「社会運動はしばしば暴力的な衝突をもたらします。しかし、民主主義にとってきわめて重要な手段です。」「私は移民の両親のもとで生まれたので、これまで左派の立場に立ってきています。保守派の政治は不平等を促進しているようにみえます。」「これまで3回デモに参加したことがあります。若者の雇用を不安定にする法案が理不尽だと感じたからです。」

 

ここまできて学生らは政治参加の意味を理解するが、しかし、「実際に参加することはない」と明確にコメントする者は少なくない。社会運動に参加するような性格ではないから、デモに参加すると就職活動に響くからといった理由によるものだ。

しかし、私としては、若い学生らのそんな政治的無関心を一方的に嘆く気にはなれない。私が学生だった1990年代にすでにこうした無関心は広がっていたし、自分自身、右/左といった政治感覚や社会運動の理解を得たのはずっと後のことだ。

ただ、自分の社会がいかなる政治的傾向にあるのか、社会運動によっていかなる論点が示されているのかを理解するために、最低限の知識は必要である。今後もフランスと日本の狭間で、学生らとともに模索していきたい。