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「左翼/右翼」の意味をはじめて知った学生と考える「政治意識」のこと

フランスと日本の狭間で

学生たちの「政治意識」

「今日の講義で生まれてはじめて、右/左の定義を知り、自分の立場を考えました。」

勤務先の首都大学東京で、教養科目「フランス語圏の文化」を7年間担当している。例年、そのなかで「左翼/右翼」を解説する授業をするのだが、授業を終えたあとの学生のコメントでは、上記のような回答が大多数を占める。

多くの学生にとって、左派は「自分の国が嫌いで、政府に文句を言う過激派」といった認識であるようだ。だから、授業で冷静に説明を受けて、左派の否定的なイメージが揺らいで驚く若者も少なくはない。

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はじめて右/左のことを考えたために、コメント内容も政治的争点ではなく、日常的な事象を素朴に参照するものがある。「部活ではリーダーが必要だと思うので、私は右派的だ」「塾の運営を批判したので私は左派だ」といった具合である。

以下では、この授業の事例を通じて、フランスと日本を比較しつつ、若者の政治意識について綴る。自分の考え方や態度が政治的にどう位置づけられるかについての知識を持つことの意味、他者(この場合ではフランスからの留学生)との比較のなかで自分と社会のあり方を見つめ直すことの意味が見えてくるはずだ。