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大炎上「オリラジ中田のYouTube大学」なぜ人は信じ込んだのか?

「勉強した気にさせる」体験の是非
古田 拓也 プロフィール

クリティカルシンキングを行うと、中田さんの主張を鵜呑みすることなく、本質を見極めることが可能になります。

今回の例では、「経験や知識が少ないFP技能士でも専門家として名乗れてしまうという問題がある。資格があるファイナンシャルプランナーと言われただけですぐに信用してしまうのは危ない」という点が、中田さんの仮説を検証して得られた気づきになるでしょう。

今回は、比較的丁寧に例示をしましたが、日常のシーンでは全ての情報をこのように目利きしていては成り立ちません。しかし、学びの場であったり、議論の場であったりすれば、最初に検討した「一次ソースをたどる」だけでも、感情や場の雰囲気に流されずに情報を目利きできるようになるでしょう。

 

群衆心理が目を曇らせる

普段はこのようなクリティカルシンキングができている場合でも、「YouTube大学」には、そのスキルの発揮が難しくなる要素がありました。そのカギは「群衆心理」の存在です。

ここで、フランスの社会心理学者ギュスターヴ・ル・ボンが19世紀に出版した著書の「群衆心理」を紹介します。同氏によると、群衆の特徴は本能的で、感情が伝播しやすく、暗示を受けやすい性質があるといいます。

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また、「群衆」は、人々が同じ場所に存在しなくても形成されるということも大きな特徴です。

出版当時は、新聞や各地域のコミュニティが感情を伝播させる役割を担っていたと考えられますが、現在ではSNSがその役割となっているという示唆も感じられます。

このような群衆を意のままに操る手法としてボン氏が言及した方法としては「推論することで何かを証明しようと試みないこと」と、「非論理的であっても簡潔な言葉で断言し反復する」ということにあります。

中田さんの主張の中には、客観的には間違えている情報であっても、動画の中では自信たっぷりに断言し、反復するという動きをとっています。また、ある特定の話題についてデータや根拠を細かく提示することで自身の主張を補強しようとはしていません。

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