# 情報リテラシー

大炎上「オリラジ中田のYouTube大学」なぜ人は信じ込んだのか?

「勉強した気にさせる」体験の是非
古田 拓也 プロフィール

PISAは各国の15歳を対象とした調査ですが、読解力低下の背景がインターネット上に曖昧な情報がまん延している点にあるとすれば、他の幅広い世代も同様に、物事を理解する能力に衰えが出ている可能性もあります。

インターネット上では、不正確な内容であっても、知的好奇心を満たす面白い投稿が「バズる」例が後を絶ちません。「YouTube大学」問題は、私たちに情報の目利きが必要であるという問題提起になったともいえるでしょう。

情報を目利きするうえでまず必要となるスキルの一つとして、MBA(ビジネススクール)などでも用いられる「クリティカルシンキング」を紹介したいと思います。

 

クリティカルシンキングの重要性

クリティカルシンキングとは、感情や意見に流されることなく、客観的に物事を判断しようとする思考プロセスをいいます。つまり、ある事象を検討するにあたっては、特定の情報を鵜呑みせず、他の要素を取り入れて総合考慮することで、事象の見極めができるという思考方法です。

YouTube大学「【お金の授業】学校では教えてくれない「資産運用の鉄則」〜素人が必ずハマる罠編〜前編」を例にして、クリティカルシンキングを実践してみましょう。

この動画で中田さんは次のような主張をしています。

ファイナンシャルプランナーは民間資格で知識が足りないから信用してはいけない

クリティカルシンキングの観点で分析すると、この仮説に対しては、まず一次ソースである日本FP協会のホームページを確認して、客観的な情報を得ることが可能です。

同協会のサイトをみると、ファイナンシャルプランナー(FP技能士)は、国家資格と記載されています。したがって、ファイナンシャルプランナーが民間資格であるという主張は誤りであるということがわかります(なお、日本FP協会が独自に認定するCFP資格、AFP資格は民間資格です)。

次に、「民間資格で知識が足りない」という仮説をみていきましょう。これは定性的な仮説であるため、他の情報や第三者の意見を確認した上で自身の見解を見出す必要があるでしょう。今回は、その手がかりとして民間資格について調べてみましょう。

民間資格には、英語検定といった有名なものから、証券アナリストといった高度な専門性が求められるものまで様々あります。一方で、国家資格であってもFP技能士の3級に関しては、比較的易しい資格に分類されています。

そのため、たとえ民間の試験機関が認定している資格であったとしても、厳格な認定が行われている資格も多数存在することがわかります。したがって、民間資格であれば知識が足りないという仮説は誤りであるいう意見を持つことができるでしょう。

関連記事

おすすめの記事