ある日突然、死んだ夫宛に「反社」から取り立てが…50代女性の恐怖

どんな風に対処したのか
江幡 吉昭 プロフィール

そこで加奈子さんは、いつまでもBさんにこんな大変な思いをさせて店を手伝ってもらうのも気が引けるという思いから、思いきって店をチーフに譲ることを決めました。とにかく煩わしいストレスから解放されたかったこともありますが、勃発していた社員との労働問題に関しても、チーフに譲ることを決めた辺りから徐々に沈静化していたことも、店を譲る方向に背中を押しました。

 

金の生る木には怪しい人が群がる

これで全てから解放された加奈子さん。ようやく平穏な毎日が過ごせると思った矢先、衝撃的な事実が判明します。

加奈子さんは口惜しそうに、私にこう説明してくれました。

「どうやら税務調査も外国人の取り立ても、労働問題も、すべて古参のチーフと店長代行のBさんのウマが合わなかったことが理由だったようなのです。Bさんを恨んだチーフが内部告発をして税務署をおびき寄せたのではないか、ということだったんです…。しかも外国人の取り立ても正直本当かどうかも疑わしく、労働問題も従業員をけしかけたのではないかと…。すべてチーフが不安になった私から店を奪うためにやったことのようなんです」

しかしもう後の祭り。真実がどうあれ結論としてよしとするしかないということでしょうか。

こういったお金の生る木(商売)にはいろいろな人が群がってきます。税金対策はしっかりやっていたAさんでしたが、事業承継まで生前に考えて、ある程度の道筋や、標準化が図れていれば、ここまですべてを失うことはなかったかもしれません。しかしA社長も60歳になってもいなかったため、まだまだ現役という気持ちでいたのでしょう。万が一に備え、早めに準備することの大切さを改めて痛感した案件でした。

ちなみにチーフが引き継いで2年、繁華街の一等地にあった件の店は家賃が払えずに、既に閉店してしまったそうです。