ある日突然、死んだ夫宛に「反社」から取り立てが…50代女性の恐怖

どんな風に対処したのか
江幡 吉昭 プロフィール

税務署の襲来

相続放棄自体はわざわざ弁護士に頼まなくてもできる作業ですが、今回は特に普通ではないガラの悪い人たちがお金を取りに来たという事案の特性を考え、弁護士が相続放棄の通知書を作り借金の取り立てから逃れるようにしたのです。

相続放棄をしてしまうと、プラスの財産も相続することができませんが、夫のAさんが税金対策をしっかりしていたらしく、家族が住んでいたマンションは夫名義ではなく、加奈子さん名義で買っていました。さらに、飲食店の自社株はすでに加奈子さんに生前譲渡されており、このことも相続放棄の判断する上で大きな決め手となりました。

おかげで、加奈子さんはAさんの残した現金こそ相続することはできなかったものの、今までと変わらない生活ができるわけですし、見えざる借金の恐怖を考えれば、これはこれでいい判断だったと加奈子さんも思ったに違いありません。

 

しかしほっとしたのもつかの間、後日、新たな問題が起きました。

社長であるAさんが亡くなって日も浅くないのに、お店に税務調査が入って来たのです。税務調査自体は納税者都合で多少は延期することも可能なのですが、世間知らずの加奈子さんは、こうした機転を利かせることもできず、いわれるまま調査の日取りを入れてしまいました。

店の売り上げやら帳簿などを散々見られ、まる2日間も税務署員に店に居座られたのですから、社長の妹であるBさんも加奈子さん疲れ果てたことは言うまでもありません。
最終的には店の売り上げの申告漏れや、経費の使い方でたっぷりと税務署にお土産を支払うことになった加奈子さんは、この商売の難しさを痛感することになりました。