ご存じですか?「チョコレート」を取り巻くおカネの“苦い現実”

「チョコカルテル」は成功するか
小出 フィッシャー 美奈 プロフィール

世の中でESG投資(過去記事<フェイスブック株価を下落に追い込んだ「ESG投資」の仕組み>を参照されたい)が主流になるなかで、世界のチョコレート企業も、貧困や児童労働、環境破壊の問題にそ知らぬ顔をする訳にはいかなくなっている。

そうした問題への企業の取り組みは今や「ESG格付け」に直結し、それは大手投資家の自社への投資行動、ひいては自社の株価にダイレクトに影響してくるからだ。

 

前述のバリー社は、いち早く持続可能性戦略「Forever Chocolate」を発表して、原料の半分以上を持続可能な方法で調達することや児童労働の根絶を目標に掲げ、ESGで高得点(=ESGリスクが少ないという評価)を得ている。

しかし、フェアトレードの調査では、生産農家の全てが満足に暮らしていけるためには、カカオ豆価格を今の2倍にしなければならないという指摘もある。カカオ豆価格の上昇は、いずれチョコレートの値上げによって消費者に転嫁されるだろう。

また最近では欧米や日本で、独立系チョコレート・ベンチャーが従来の流通を離れて農家にカカオ豆を直接買い付ける動きも、小規模だが出てきている。こうしたメーカーの板チョコは10ドルとか1500円以上するが、フェアトレードを実践している。

甘党にとってチョコレートの値上げは苦いが、搾取とも言える生産農家の非人道的な生活を考えれば、納得もいく。今までが安すぎた、と考えることもできるかもしれない。

チョコレートはそのうち、義理で嫌いな上司にも配るほど、気安く買えるものではなくなりそうだ。とっておきの贅沢として、「本命」と自分のために取っておこう。