ご存じですか?「チョコレート」を取り巻くおカネの“苦い現実”

「チョコカルテル」は成功するか
小出 フィッシャー 美奈 プロフィール

スイス人が年間9キロ(!)ものチョコを食べる訳

一方、チョコレートの消費は、昔から先進国中心だ。

スイスのチョコレート会社リンツによると、チョコレートの年間一人当たり消費量(2017年)は、スイスが8.8キロで断トツ。「年間9キロ」というのは、月に50グラムの板チョコを15枚食べる計算になる。

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ちょっと食べすぎなんじゃ、と思ってしまうが、スイスの後、オーストリアにドイツ、イギリスなどが8キロ台で続き、米国やフランスは4キロ台。日本は1.2キロとなっている。

え、私はそんなに食べてない、と言われるかもしれないが、板チョコ以外にも菓子パンやケーキ、アイスクリームなどにもチョコレートが入っているのをお忘れなく。一方、中国の一人当たり消費量は、まだ100グラム程度とされており、伸びしろが大きい。

 

スイス人のチョコレート好きにも、歴史がある。19世期に世界初の板チョコ工場が作られたのは、スイスで、スイス人のアンリ・ネスレ(ネスレ社創業者)が開発した脱脂粉乳を使ってミルク・チョコレートが生まれたのも、スイス。今日ある形でのチョコレートを確立したのはスイスだとも言えるのだ。

チョコレートのサプライチェーンを辿ると、今でもそのスイスには、「バリー・カレボー」という世界最大のチョコレートメーカーが存在する。

甘党でもあまり聞かない名前かもしれないが、そのチョコレートなら多分口にしている。バリー社は、世界のカカオ豆20%程度を粉砕処理する大手中の大手(業界売上シェア36%)で、マースやハーシー、森永、ネスレなど、みんなが知っている世界の菓子メーカーや高級ショコラティアに業務用チョコレートを卸している。