コロナ「感染拡大のおそれはとても小さい」大御所がパニックを叱る!

過剰反応を広めた「2つの誤算」とは
山根 一眞 プロフィール
武漢武漢では体育館などを感染者の隔離施設へと作り替えてしまうなど、「鬼は外」の逆を行く政策をとってしまった Photo by Getty Images

根路銘 さらに問題点をあげるとすれば、中国の医療専門家はウイルスによる呼吸器感染症がどう広がっていくのかという「疫学」を知らない。アメリカ留学で学んだ人が大半だからでしょう。ウイルスの遺伝情報やミクロのメカニズムには詳しくても、ウイルスが起こす「病気」、その感染がどういう環境でどういう条件で拡散していくのかの「疫学」をきちんと学んでいないし経験も乏しい印象です。

それが過剰な不安を世界に拡大させてしまったんです。

山根 世界での感染者数は約3万人で死亡者数は約600人(2月7日現在)です。

根路銘 これらの数字も怪しい。ちゃんとした遺伝子診断キットを使い、新型コロナウイルスと特定した患者なのか、疑わしい。

 

もし、新型コロナウイルスが本当に人々が恐れているような強い感染力を持っていれば、世界ですでに数百万人が肺炎で亡くなっていておかしくない。

世界では、毎年インフルエンザで25万~50万人が亡くなっている。新型コロナウイルスは、毎年膨大な犠牲者を出しているインフルエンザのウイルスに比べればはるかに感染力が弱い。

この程度の被害者数で、国境を閉ざし、交通網も遮断するようでは、横綱級の新型インフルエンザが発生し、感染者数百万人、死者数十万人という事態になったら世界はたちまち崩壊してしまうのではないですか。多くの方が、根拠が不確かな怪しい数字に踊らされていると思わざるを得ません。

武漢「封鎖」され人通りも絶えた武漢市街 Photo by Getty Images

1メートルも飛べば死ぬウイルス

山根 それは、思いもよらない指摘。

根路銘 コロナウイルスは鼻かぜなどふつうのかぜの原因でもあるので、毎年、多くの人が感染しているが、インフルエンザのように重篤な肺炎を起こすことは少ないでしょう。新型コロナウイルスは変異によって感染力が強くなってはいるものの、インフルエンザと比べれば、抑え込むことは比較的容易なんです。

山根 日本では、検査によって「感染者」とされても、肺炎を起こした人がほとんどいないのはそのため?

根路銘 コロナウイルスはまず上気道にとりつき少し増えるが、潜伏期は3~4日。初期症状はあまり出ません。この段階で終息するのが鼻かぜです。

人によってはウイルスが肺胞細胞にとりついて増殖し呼吸困難を起こす、これが肺炎です。この感染パターンは、子供に重篤な肺炎を起こすRSウイルス感染症にとてもよく似ています。そういう意味では「新型コロナウイルスによる新型肺炎」と呼ぶのは正しいが、咳や痰で排出するウイルスは多くはないんです。

山根 感染者の咳や痰に混じって飛散するウイルスへの恐怖が広がっていますが。