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子どもの学力を伸ばすには、やっぱり「ほめる」が正解だった

「非認知能力」とはなにか

極貧生活から独学で東大へ

「子どもに落ち着きがなく物事に集中できない」

「勉強も運動も最後までやり抜くことができずに、すぐに途中で放り出してしまう」

「自分に自信がないので、他人にはすぐに悪口や文句ばかり言うけど、自分ではやったことがないことに挑戦したがらない」

そんな子育ての悩みを抱えている親や教育者は多いのではないでしょうか。

私は貧困家庭の子どもたちの支援や幅広く教育の分野に携わってきたこともあり、そんな声をたくさん聞いてきました。

実は、私自身が極貧家庭で育ち、12歳で母が他界、15歳からは両親が家にいない状態で育ってきました。お金がないので塾や家庭教師を利用したことはなく、独学で東大やハーバード大学院に合格し、現在、日本財団で子どもの貧困対策事業の責任者を務めています。

どうやったら独学で東大やハーバードにいけたのか、よく聞かれることがありますが、私は「非認知能力」を伸ばすことにその秘訣があると考えています。また、冒頭に挙げた、落ち着きのなさや途中で放り出してしまうといった子どもが抱えている課題を解決する鍵も非認知能力にあります。

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非認知能力とは、IQや学力テストなどで測定できる認知能力とは異なる能力のことで、やり抜く力や自制心、社会性、創造性や好奇心などを指します。非認知能力の重要性は、ノーベル経済学賞受賞者のジェームズ・J・ヘックマン教授の研究などによって、近年注目を浴びるようになってきました。

ヘックマン教授は、米ミシガン州での「ペリー幼稚園プログラム」の効果を長期にわたって追跡研究しました。

低所得層の3~4歳の子どものうち、ランダムで選ばれた子どもに質の高い就学前教育を提供し、運悪く入園が許可されなかった子どもと比較したところ、プログラムを受けた子どもの非認知能力の伸びがその後の学歴や将来の年収、就業形態にも大きな影響を与えたという研究結果が明らかになりました。