まずFXの売りと買いの仕組みを理解しよう

vol.1 はこちらをご覧ください。

高野: 今回から本格的にFXの勉強を始めるわけですが、石田さんはFXが何の略かは知っていますか?

石田: たしか「Foreign Exchange」ですよね。

高野: さすがに元CAだけによくご存知ですね。海外では一般にForexと言われますが、日本では「通貨証拠金取引」とか「外国為替保証金取引」と呼ばれています。では外国為替の意味はご存知ですか?

石田: 通貨の交換というか両替みたいな感じですか。

高野: そうですね。元々為替とは、離れた場所にいる人同士がお金を受け渡しすることで、外国為替は2ヵ国間でのお金のやりとりを指します。

 たとえばトヨタ自動車がアメリカに自動車を輸出して、ドルで代金を受け取っても、それをそのまま従業員に給料として支払うことは出来ませんよね。そこで、受け取ったドルを円に換える必要がある。これが外国為替です。

 そこで問題になるのが通貨同士の交換比率、いわゆる為替レートです。

石田: ニュースなどで毎日発表になる1ドル何円という、あれですね。

高野: そう、かつては固定相場と言って、1ドル360円など、国が交換比率を決めていたのですが、その後自由化されて、日々刻々変化するようになりました。

石田: では今は、どうやって為替レートは決まっているのですか?

高野: 基本的には需給関係です。野菜や魚と同じで今日、ドルが欲しいという人が大勢いれば高くなり、逆の場合は安くなります。タレントのギャラもそうでしょう。人気が出ると高くなる。

石田: いつか、そうなりたいですね(笑)。

 でも、野菜や魚は卸売市場があって、そこで競りを行って値段が決まりますよね。また株式も証券取引所というのがあります。為替でもよくマーケットとか市場とかいいますが、どこかに同じような取引所があるのですか?

高野: 為替市場という言葉は使いますが、実際にどこかに公設の市場があるわけではありません。先にも言いましたが、為替は元々両替行為なので、それを求めている銀行同士が融通し合う際の交換レートが、その時々の為替レートとなります。銀行間のネットワークそのものが市場なのです。

 しかも為替はいろいろな国の通貨の取引なので、株の場合の証券所などと違いマーケットは全世界共通です。1日の中でニュージーランドから始まりオーストラリア、東京、アジア諸国、ヨーロッパ、そして最後にニューヨークへと世界をまたにかけて24時間通して取引されている。この銀行同士の取引の市場をインターバンク市場と呼んでいます。

ドルを持っていないのになぜ売れるのか

石田: 為替レートは、どこの銀行でも共通なのですか?

高野: 公設の市場はありませんが、銀行同士は専用のネットワークで結ばれているため、共通のレートとなります。買いたい人が提示した中で一番高い値段と、売りたい人の中の一番安い値段が折り合った値段が、その時の為替レートというわけです。

石田: なるほど。

高野: さて為替市場の仕組みが理解できたら、いよいよ外国為替取引ですが、これは一言で言えば、為替レートの変化を利用して利益を狙う取引です。

石田: ・・・それでどうやって儲けたり、損をしたりするのですか?

高野: 例えば、ドル・円の為替レートが80円の時に、1万ドル買うためには80万円を払う必要がありますね。ところが3日後に為替が82円になったとします。この時に買っている1万ドルを売れば82万円が手元に入る。80万円で仕入れたものが82万円で売れれば、差額の2万円が利益となるわけです。

石田: つまり、為替が取引を始めた時よりも円安になれば儲かるわけですね。ということは、外貨預金に似ていますね。

高野: たしかに今のケースだと外貨預金に似ていますが、FXには外貨預金と決定的に異なることがあります。それは、外貨預金は外貨預金を始めた時に比べて解約時に為替レートが上がらないと為替差益は得られませんが、FXの場合は「ドル・円」を売ることで、円高になっても利益を得る方法があるということです。

 たとえば石田さんもドルを売ることができるのです。

石田: ドルを売る? ですか。でも、わたしはドルを持っていませんが・・・

高野: ここで多くの人がひっかかるのですが、FXで売るとか、買うというのは、日常生活での買い物をする行為とは別ものと理解してください。FXの場合、投資する対象は「ドル・円」などの通貨ペアで表記されますが、「ドル・円」を買うということは、ドルを買うと同時に円を売る行為で、逆に「ドル・円」を売る場合はドルを売ると同時に円を買うという行為に投資するということなのです。

石田: つまり、実際にお店に行ってする買い物のように、ドルや円を買うというよりも、「ドル・円」を買うという行為に投資するか、売るという行為に投資するかという感じなのですか?

高野: さすがに経営者のインタビューなどもしているだけあって、理解が早いですね。

 株式投資などでは「買い」は安全だけど「売り」から始めるのは危険などということがよく言われます。しかし、FXの場合そうしたこともまったくありません。むしろ、コンスタントに利益を確保するためには売りも買いも同じ感覚で出来るようになることが、大切なのです。

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