ご存じですか、日本のマンションを廃墟に追い込む「共有地の悲劇」

「性善説」の管理組合はもうもたない
大原 浩 プロフィール

「性善説」の管理組合制度を見直せ

住民の横のつながりが少ない現在では、既存の管理組合制度はあまり役に立たない。外国籍の住人が多数になれば、「文化的共有」は難しくなる。

兵庫県神戸市の「タワーマンション管理組合の認証制度」が話題になっている。管理組合の将来に危惧を抱いて何らかの対策をとろうとする姿勢は大いに評価できるが、内容はお役所仕事といえるし、一地方自治体の手に負える問題でもない。

届け出や認証などの管理を強化すればするほど、基本的にボランティアの管理組合理事長の成り手はますます減る。このような単純なことさえ分からないのでは「やはりお役人」と思ってしまう。

 

問題は、不動産業者が分譲を行うときである。管理費を少なめにしてマンションを販売しやすくするということがよく行われるが、これにより、必要な修繕が行われにくくなり、マンション老朽化が進む原因となる。

理事長の報酬を含む「本当の管理コスト」を明示するように法律で強制し、「先払い」させることが重要である。価値観が多様な所有者に後から、追加支払いを納得させるのはかなり難しい。

さらには、マンションの解体費用も「先払い」させるべきである。タワーマンション解体の実例はまだ聞かないが、それぞれが極めて特殊な工法で建設されるタワーマンションの解体費用は莫大な金額になると言われる。一般のマンションにおいても、解体費用は大きな問題になるはずであり、最後の所有者が支払いを拒めば(支払いができなければ)廃墟のまま放置されることもありうる。

年金のように先払いしたはずの金額がどこかに消えてしまっては困るから、先払いした金額は、信頼できる機関に供託するようにするべきだが、これまでの歴史を見る限り、この「信頼できる機関」を見つけるのがもっとも困難かもしれない。

いずれにせよ、不動産そのものの暗い将来に加えて、マンションに関しては「暗黒」とも言える憂鬱な時代がやってくるような気がする。