医師が教える、職場うつと診断された時に「やってはいけない」こと

心と体を自分で治す
森下 克也 プロフィール

「ダラダラ」できるようになったとき、まず感じることは、かつての自分がいかに無理をしていたかということです。睡眠時間を削り、食べ物もろくに摂らずに仕事に没頭したり、上司や同僚のストレスに長時間さらされることが、いかに我を失った行為であったかを知ることになります。

そういう気付きは、世間的な時間の流れから離れ、身体の欲求のまま、あるがままの生活をしてみないと、なかなか得られるものではありません。

「ダラダラ」する生活によって、心と身体のリラックスを体感し、その心地よさ、楽さの中から、自らを仕事やストレスに縛り付けたかつての生活の不自由さを実感するのです。

そうすると、長い間苦しめられていた頭痛、肩こり、めまい、動悸、便通異常など、自律神経の過緊張によりもたらされていた症状が改善してきます。東洋医学的に言えば、気、血、水の巡りがよくなるのです。

ここで注意していただきたいのは、ちょっとばかり心身の状態が改善したからといって、張り切って動き過ぎないということです。

 

適応障害にかかりやすい性格の人は、少しの回復で何でもできるような気持ちになって、すぐに復職を考えたり、無理な運動をしたりするものです。この時期に無理をしても、気力と体力はまだ十分に補充はされてはいないので、すぐにまたバテてしまいますし、気持ちも落ち込んでしまいます

たとえ「もう動けそう」と思っても、じっと我慢して、「ダラダラ」を続けることが大切です。とにかく1カ月間を目処に、怠け者に徹するようにしてください。

そうやって過ごしていると、1カ月を過ぎたあたりから、だんだんと退屈になってきます。食欲も出てきた、便通も回復した、頭痛やめまいもよくなりつつある、だいぶ本も読めるようになってきた。そうすると、さすがに物足りなくなってきます。

それと同時に、動きたいという欲求が、少しずつ自然に出てきます。そうなったタイミングが、ダラダラ期を卒業し、次の段階に移る時期です。