日本人が知らない、スウェーデンの「デジタル通貨」のヤバすぎる実力

じつは「中国」より一歩先を進んでいる
砂川 洋介 プロフィール

スウェーデンの知られざる実力

リクスバンクは2016年に、キャッシュレス社会を推進するため、法定通貨クローナのデジタル通貨である「eクローナ」の開発を検討し、翌年からそのプロジェクトに着手した。

発行するかどうかの決定はまだ行っていないものの、2020年からは、コンサルティング大手のアクセンチュアと組んで、eクローナの試験運用を開始する方針であることを発表している。

〔photo〕gettyimages

アクセンチュアは幅広いモバイル・プラットフォームでの用途など、eクローナの消費者向け機能を構築し、模擬店舗を使ったテスト環境で運用するとのことだ。試験運用が噂されるデジタル人民元と比較すると、eクローナは既に試験運用を行う方針を明らかにしている分、中国より一歩先を進んでいるとの見方もできよう。

2020年の年末までこの試験運用を続け、最短では2021年にeクローナを発行する可能性も考えられるとのことだ。

リクスバンクが2019年に公表した調査によると、2018年時点で現金を使用したスウェーデン人の比率はわずか13%と、2010年時点の39%から大幅に低下している。

 

米中欧のデジタル覇権争いが始まった

正直、中央銀行がデジタル通貨を発行することで、ビットコインを筆頭とした暗号資産の価値が高まるかは微妙なところだ。

そもそもデジタル通貨は、既存の自国通貨の利便性を高めるために発行し、自国通貨の経済圏を狭まることを防ぐといった意味合いが大きいと考える。つまり通貨の覇権争いの新たなステージといったところだ。

デジタル人民元の試験運用がいつからスタートするかに注目が集まっている一方、静観を貫いているFRB=米国が基軸通貨ドルを守るためにどのような手段を取るのかも関心を高めておきたい。

こうした通貨の覇権争いは米中貿易戦争の行く末にも深く絡んでくるはずである。

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