水原希子さん出演でドラマ化された『ブラを捨て旅に出よう』の原案者で、旅作家・歩りえこさんの連載「世界94カ国で出会った男たち」では、20代のときに世界94カ国をひとり旅してきた歩さんが、各地で出会った印象深い男性について綴っています。

前回の記事で、超お金持ちのシンガポール人投資家とのお見合い話をお伝えしましたが、第2回は、その投資家とのデーティング期間中に受けた彼の悪いクセによる雑な振る舞いや冷たい対応……そして、誕生日当日にシンガポールに呼ばれて行くも一人ぼっちにされたエピソードをお伝えします。

     

毎回何時間も私を放置して出かける彼

デーティング期間中のシンガポール人投資家とお試しのお付き合いをして3カ月が経った。

「彼の悪いところはね、どんなに相性が良い女性でも一度Hしたら、烈火のごとく冷めてしまい別の女性にターゲットが移ってしまうんだよ、つまりエリックにとっては落とすまでが一番楽しいってこと」

エリックの友達がこっそり教えてくれた言葉が気にかかっていた。そんなプレイボーイを絵に描いたような男性がいるのかしら……?

私の出張先のインドネシアまで来てくれてデートしたりと2カ月目くらいまでは優しかった。ブランチやディナーを食べて、スパに一緒に行き、ショッピングではリゾートワンピースを買ってくれたり、手を繋いで歩いて、ビーチで夕陽をボーっと眺めてみたり……何てことない時間も楽しめる関係性にまでなっていた。もちろん、肉体的な繋がりも自然と持った。

でも、3カ月目頃からエリックはいつもそわそわして忙しく、「仕事なんだ」と言って、私がスパやアフタヌーンティで過ごしている隣にはいてくれない。私の受付だけアテンドしてくれ、後はスパやホテルのスタッフに任せて、仕事に行ってしまう。そして、数時間後にお会計だけ済ませにまた来てくれるのだ。何なんだ……これ

スパならまだ一人で退屈せず過ごせるよ。高級ホテルでアフタヌーンティなんて一人でして何が楽しい!? 一緒に過ごす相手がいなかったらどんなに美味しい高級スイーツも全く美味しくない。

そのうちにエリックは、ほとんど丸一日滞在できるスパに6~8時間も私を放置して戻って来なくなった。朝起きて車で洞窟のような薄暗いスパへ送られ、私の受付をすぐさま済ませると超特急でどこかへ行ってしまう

アロママッサージ、足つぼ、ヘッドスパ、ネイル……。スパ内では飲食も全て金額に含まれており、いくら食べても無料というブッフェスタイルで飲み食いにも困らなかった。だけど、私はいつも一人ぼっちだ

確かにスパで全身ツルツルになったよ!? でもそのツルツルの肌を見てくれる人がいない。可愛いネイルに気が付いてくれる人もいない。せっかく日本からシンガポールに来ているのに……。

仮にエリックと結婚したとしても、こんな毎日なんだろう。お金に不自由することはないけれど、やることがなく、暇を持て余すような毎日。優雅だし、贅沢な生活かもしれないが、徐々に詰まらないものに見えてきた

つま先から頭のてっぺんまで癒してくれるシンガポールのスパ「g・spa」。写真提供/歩りえこ