米中覇権争いの中、イギリスが「大胆な外交戦略」を描く理由

ブレグジット後、一体どうなるのか?
笠原 敏彦 プロフィール

イギリスは伝統的に国家間の合従連衡を得意とし、国際秩序のバランサーとして国益を確保してきた国だ。

その外交巧者ぶりは、「punch above her weight(国力以上に世界への影響力を発揮する)」とも形容されてきた。

本稿では、「ブレグジット後」のイギリスの外交的な深謀遠慮に思いを巡らせてみたい。

ジョンソン首相が掲げる新生イギリスの進路「グローバル・ブリテン」とは何を目指しているのかということである。

 

21世紀のグレートゲームへの関わり方

現在の国際関係が台頭する中国を基軸に流動化してることは疑いがない。その中で今後の世界の在り方を決定づけるのが米中の覇権争いの行方だろう。

イギリスはこの21世紀のグレートゲームにどう関わろうとしているのだろうか。

まずはこの点から見ていきたい。

イギリスとアメリカは「二つのアングロサクソン国家」「アングロ・アメリカン」などと一括りにして語られることも多い。

民族的・文化的類似性に加え、国際政治の観点から言えば、「自由」という価値観をコアにした強固な同盟関係にあるからだ。

その象徴的な例は、現在の市場主義経済を基盤にしたグローバル化が英米の共同プロジェクトという意味で「アングロバライゼーション」とも呼ばれることだろう。

これは、サッチャー英首相とレーガン米大統領のコンビが1980年代に新自由主義を推進したことに由来する。