13歳の少年に「キレイだね」と言われ…

私の女友達、サンドリンには3人の子供がおり、長男のアチューは私の息子より1歳年上の13歳。今回アチューに会うのは7年ぶりだ。身長も私より高くなり、親を困らせていた偏食の暴れん坊だった6歳の男の子は、すっきりとした美少年に成長していた。

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そんなアチューは、なんと、会うなり私に「わか、You look beautiful!(キレイだね!)」と言ったのである……! (この一家は英語が堪能なので、私と話すときは英語)成長期もまだ来ていない、息子の同級生みたいな可愛らしい子供にこんな風にお世辞を言われるのは、なんとも不思議な気持ちなのだが、それにしても……13歳にしてすでにフランス男が形成されつつあるとは……。
きっとサンドリンの夫は「You are beautiful」だの「I love you」だの、甘い言葉を毎日彼女に囁いているに違いない。そして、それを耳にするアチューは父親から男というものを学んでいるのだろう。

そう感心していたら、その夜、サンドリンと私がキッチンでおしゃべりをしているときに、アチューが会話に入ってきた。

親子の会話に思わず唸る

アチューは私に自分と同年代の息子がいることを知っているので、息子が元気か聞いてきた。「元気だよ。最近、彼女ができてね。アチューには彼女がいないの?」と返したら、つい最近までいたけれど、他に好きな子ができたから別れたという。そして、その気になる子に早速告白したそうだが、その反応が微妙で悩んでいるらしい。

アチュー「ガールフレンドになってって言ったら、『ま、様子見ね』って言われて……」

サンドリン「アチュー、女の子にそう言われたら、あなたはどうすべきなんだっけ?

アチュー「えーと、前の彼女のときみたいに、手紙を書いて…‥それでチョコレートをプレゼントしたり……

サンドリンそれだけ?

アチュー困っていたら助けてあげたり……それから、重いものを持っていたら代わりに持ってあげたり……

サンドリンそうそう。それから……?

アチュー「そうだね。女の子はしょっちゅう褒めないとね。そうだ、今から彼女に手紙を書こうっと

おお……フランス男は、こうやって母親から女性に対する接し方を躾けられているのか……! と唸った瞬間である。

大人になっていきなりモテテクを身につけ、キザなセリフをはいているわけではない。小さな頃から母親と恋バナをしてガイドラインをもらい、女の子に振り回されながら失敗と成功を繰り返し、恋愛を学ぶ――ワインのように長い時間をかけて、フランス男(そしておそらくフランス女も)は醸成されているのだ。さすが、ワインとアムールの国、フランスである。