映画ライターである筆者は、たまに取材でパリを訪れることがある。パリに行くと、“女らしい”気分になる。なぜなら、フランス人の男友達は、お互いに恋愛感情がなくとも「そのワンピースの色がよく似合ってる」「今日はすごく素敵だよ」などと身なりを必ず褒めてくれるし、レストランで座るときに椅子を引いてくれたりするからだ。

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女性を褒めるのは彼らにとって挨拶代わりなので、いちいち真に受けて喜んではいけない。でも、褒められて悪い気はしないし、私のように“大人”な年齢になると、女性として扱われることが単純にうれしかったりする。

あくまで私の主観的な意見だが、欧米人のなかでも「フランス男」はロマンチックな心の機敏を楽しんでいるように思う。だから女性を喜ばせるのが好きだし、得意だ。まずは、彼らが普段の会話の中で女心をどんな風にくすぐっているのか例をあげてみよう。

フランス映画みたいな会話はリアルにある

先日、こんなことがあった。フランス人の男友達(50代)に真面目な質問があり、チャットをしたことがある。ところがレスが来たのは2週間後。

「ちょっと、2週間後にレス!? 老眼鏡でもなくしたの?」

男友達老眼鏡よりも、君がキレイで眩しいからサングラスが必要だったんだ

「んーー。その答え、Aまではいかないね。B+かな」

もちろん、私達の間にロマンスは一切ないが、それでもフランス男は、相手が誰であろうと女心をくすぐる絶妙な言葉を選ぶ。特に、女性に責められそうになったときにその実力を発揮する。しかし、うっとりとするようなロマンチックな言葉をかけられても、そこで内心ニヤニヤしているのを知られては、女としてナメられる。

“男は女を持ち上げ、女は男にツレなくする”。こういった男女の駆け引きは友人同士の間でも、罪のない範囲で繰り広げられる。ちょっとしたトキメキのスパイスを効かせるのがフランス流なのだ。ちなみに、フランスでもビジネスの場で女性の外見を褒めるのはNGである。

そんなフランス男との会話で私が一番驚いたのは、レストランでワインを選ぶときのものだ。