# 性教育

私がアマゾンを辞めて、タブーとされる「性教育」サイトを作った理由

ママたちの「わからない」を解決する
マネー現代編集部 プロフィール

なぜ性教育にお金を使わないのだろう

読者の7~8割は検索流入である。「命育」では信頼性が高い一次情報を発信しているため、性に関する単語を検索すると比較的上位に表示される。

「教育従事者も多いのですが、一番多いのは男の子のお母さんです。今の子どもたちはスマホで簡単に性のコンテンツにアクセスできるのに、十分な性教育を受けていない親世代は子どもにどう教えたらいいかわからない。実際、私たちの調査によると、約8割もの親たちが『性教育に自信がない/あまり自信がない』と答えています。親自身が性教育を学び、このギャップを埋める必要があります」

 

性教育コンテンツの拡充を目指す一方で、収益化の課題がある。現在は主婦・ママクラスの有志が無償で制作し、取材・監修費などの必要経費はクラウドファンディングで集めた資金や宮原さん自身のポケットマネーで賄っている。一般的にメディアは広告で収益を出すが、「命育」は広告営業をしない方針だと言う。

「広告で収益を得るという方法もあるかと思いますが、強引な広告コンテンツをつけるとサイトの質が下がり、読者が離れてしまいます。まずは読者に認めてもらえる良質なコンテンツ制作に注力したいので、ためになるコンテンツにつながるPRだけ受けて、ほかはお断りをしています」

とはいえ、現状のままではサイト運営を継続できない。良質なコンテンツを継続的に発信するために、今年中に広告以外のマネタイズを実現したいそうだ。

「無料コンテンツが主流のWebメディアを有料化するのは難しいとよく言われますが、幼児教育や受験勉強に多くのお金を使うのに、性教育に一銭も使わないのはどうなんだろうって。教育・子育てと同じように大切なことだと捉えてほしい、課題意識を持ってほしい、という思いのもと、マネタイズを検討しています。ただ、子どもが読むコンテンツや緊急性が高いコンテンツは無料でお届けすることは変えない方針でいきたい」

マネタイズへの道筋は見えている。「命育」では性教育に適した本を紹介しており、アマゾンへのリンクをクリックして購入する人の割合は約15%。1~2%が相場と言われるなか、驚異的な購入率を誇る。この数値を見た宮原さんは「読者は信頼できる性教育の情報を欲している」と考えた。

「オープン当初は月あたり5万PVでしたが、今では4倍の20万PVにまで伸びました。これからメンバーを増やして内容を充実させ、命育を通して性教育に真摯に向き合う文化を醸成していきます」

クローズドな性教育では、偏った性認識を正せない。オープンに性について語らい向き合える未来を作るには、まず親が性教育を学び、子どもに伝えていくべきだろう。それが新しい命を生み、健やかに育む一歩となる。

取材協力:デジタルハリウッドSTUDIO渋谷