# 性教育

私がアマゾンを辞めて、タブーとされる「性教育」サイトを作った理由

ママたちの「わからない」を解決する

「十分な性教育を実施していない日本では、実の親でさえ子どもの性教育に頭を悩ませています。特に『夢精』と『精通』を検索して調べるお母さんはとても多いですね。性器などのプライベートゾーンについてどう教えたらいいのか悩んでいる親もたくさんいます」

そう語るのは、これまでタブーとされてきた「性教育」の専門サイト「命育(めいいく)」を運営する3児の母・宮原由紀さんだ。アマゾンを辞め、ママクリエイターとともに命育プロジェクトを立ち上げた。

医師・専門家の性の知識を得られたり、性の悩みを投稿できたりする「命育」は、性の話題に関して大人と子どもをつなぐコミュニケーションツールとしても機能している。

宮原さんが会社員を辞めて独立し、ママクリエイターと性教育サイトを立ち上げるに至った理由や、日本が抱える性教育の課題について伺った。

取材・文/秋カヲリ、撮影/尾山翔哉

 

「マミートラック」でキャリアが描けなくなった

宮原さんは新卒でリクルートに入社し、営業職として早朝から深夜まで働く生活を送った。やった分だけ返ってくる仕事が楽しくて約4年間走り続けたが、20代半ばで「今の働き方を続けられるだろうか」と転職を決意した。

営業以外の仕事をするため老舗企業へ転職した宮原さんは、新規事業開発を担当。伝統芸能を若い人に伝えるためのブランディングを行い、メディア運営やPR業務を経験した。その後2人の子どもを産み、産休育休を経て復帰したが、時短勤務になり、「代わりが効く」仕事へと変わった。

業界的にも、年功序列、長時間労働にならざるを得ない会社で、どれだけ効率よく働いても評価はされにくい。宮原さんは、産後復帰したものの、育児のために自分の思うように働けない「マミートラック」に陥り、「この先のキャリアが描けなくなった」と言う。

「自分なりに頑張っているのですが、どうしたって今まで通りには働けません。時短はもらえるし、周囲の理解も得やすい恵まれた環境だったのに、モヤモヤがなくならない。そこで効率よく働けば成果ベースで認めてもらえる場に行けばモヤモヤはなくなるのでは? と考え、転職活動を始めました」

育児の真っ只中にいた宮原さんは転職に苦戦した。職務履歴書に子どもの有無を記載する義務はないが、子育てを良しとしない会社で働く意志はなく、育休産休の取得歴をすべて書いた。書類審査で落ちる会社が多く、面接に進んでも開口一番「うちにライフワークバランスを求めないでほしい。それでもよければ面接を受けてください」と言われたこともある。