ラグビー稲垣啓太・姫野和樹・福岡堅樹、子供時代の「ヤバい身体能力」

まるで漫画の主人公
週刊現代 プロフィール

8割の力しか出すな

松浦氏の予想通り、中学2年の冬には身長180cmを超えるほどにまで成長した。

「あるとき、姫野に『先生がタックルの相手をしてやる』と言ったことがあります。

私も高校時代ラグビー漬けの日々を送っていたので絶対に押し負けない自信があったのですが、姫野に当たりにいったら簡単にふっ飛ばされた(笑)。しがみつくことさえ許してはもらえませんでした」(松浦氏)

ラグビー経験者の顧問をも軽くふっ飛ばしてしまうほどだから、やがて姫野のタックルを受けとめられる部員は一人もいなくなってしまった。

そんな状況を見かね、松浦氏は姫野に「練習では8割の力でいい」と言い聞かせていたという。

「時には彼が『何で俺だけ力出してはいかんのですか』と食ってかかってくることもありました。『俺は顧問だから、みんなの安全を守らなきゃいけない。言うことを聞けんのならやめろ』と叱ると、姫野はふてくされて帰ろうとする。

でも、かならず『すみません。もう一度やらせてください』と頭を下げに戻ってくる。そんなことが何度もありました」(松浦氏)

 

ラグビーに熱中した姫野は、ラグビー部のある中部大学春日丘高校に進学する。

姫野が高校3年時の担任だった松井数久氏が、面白いエピソードを覚えていた。姫野が高校3年の春、卒業生たちが学校を訪れ、進路のアドバイスをするという催しが開催されたときのこと。

「卒業生のうちの一人が看護師さんで、とても可愛らしかったんです。すると、彼女の話が終わったあと、姫野がニヤニヤしながら僕のところへ近づいてきて、『先生、あの看護師さんの電話番号を教えてください』と。

そんな学生、聞いたことありませんよ。コイツは行動力があるなぁ、と思いました。もちろん、番号は教えてやりませんでしたが(笑)」

狙った獲物は、迷わず果敢に奪いにいく。姫野の積極的なプレースタイルは、高校時代にはすでに確立されていたのかもしれない。