ラグビー稲垣啓太・姫野和樹・福岡堅樹、子供時代の「ヤバい身体能力」

まるで漫画の主人公
週刊現代 プロフィール

そんな稲垣が、最初に始めたスポーツはラグビーではなく野球だった。所属していた学童野球チーム「市之瀬」の元監督・市川孝幸氏が言う。

「お兄ちゃん二人が野球をやっていた影響でしょう。啓太も3年生くらいでチームに入ってきた。5年生のときにはもう、90kgはあったんじゃないかな。子供のなかに一人だけ大人が混じっている感じですよ。

地肩が強くて、ポジションは主にファーストかキャッチャー。ピッチャーをやらせてみたいと思ったこともありましたが、彼のボールがあまりにも速くて重いので、チーム内に捕れる子が誰もおらず、断念しました」

市川氏の目を見張らせたのが、稲垣の打球の飛距離だ。

「上手くバットに当たれば、90mは軽く飛ばしていました。『市之瀬に稲垣というとんでもない選手がいる』というのが近隣にすっかり知れ渡っていて、啓太が打席に立つと、相手チームの外野はいつも10mくらい下がっていました」(市川氏)

 

バイクを跳ね飛ばす

小学校を卒業するころには100kgを超えるほどに育った稲垣の身体を支えたのが、その飽くなき食欲だ。幼いころからの大好物はカレーだった。

「兄弟3人とも運動をしていたので、寸胴鍋に20人前くらいを作るんですが、それが一晩で空っぽになる。

そのなかでも、啓太が食べる量は一番でした。夕飯に2杯は確実に食べて、お風呂から上がったらもう1杯。気がつけば勝手にお皿によそって食べている(笑)」(紀子さん)

まるで漫画の主人公のようなエピソードだが、前出の大橋氏によれば、驚くべき「稲垣伝説」は、まだまだある。

「小学校5年生のときかな、啓太と農道をトボトボ歩いていたら、後ろから来たバイクが時速30kmくらいのスピードで突っ込んできて、アイツにぶつかったんです。

普通の小学生なら大怪我をしているところ。でも、ふっ飛ばされたのはバイクのほうで、アイツは無傷。『ん?』なんて表情で、状況を理解できていない様子でした」

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