「夢の若返り薬」最新情報 今井教授が語る「こうして長生きする!」

世界が注視する「抗老化」最先端研究(1)
木野 活明 プロフィール

これが「抗老化」を実証する写真だ!

さらには、若いマウスから採取したeNAMPTを26カ月のマウスに3カ月間、1週間に1回投与し続け、マウスにどのような変化が起こるかを調べる実験で、驚くべき結果が出たのだ。

「26カ月齢というと、人で言えば80歳くらいの老化したマウスです。3カ月間eNAMPTを与えると、通常の29カ月齢マウスは毛並みはバサバサなのに対しツヤツヤで、滑車もカラカラ回すほど運動量も上がり、最大寿命は16%も延びました。前回のNMNの実験、今回のeNAMPTの実験から、NMNもeNAMPTも非常に強力な抗老化作用があることが分かりました。両方とも人にもマウスにも同じようにあるので、働きも同じだろうと考えられます」

2匹の老齢マウスの実験映像がある。1匹にはeNAMPTの量を増やしており、もう1匹には与えていない。2匹の動きは明らかに違う。量が多いマウスはかごの中を活発に動き回るが、もう一方はモゾモゾとしているだけで活力がないように見える。

上がeNAMPTの量を増やしマウス(今井教授提供)

「動き回るマウスは80代の人が50~60代の活動能力を保っている状態です。すでに述べましたが、NMNを作る酵素のeNAMPTは老化と共に血中を循環する量が減少します。eNAMPTを増やしたことで、NMNが作られ、NADが合成されて増えたことで、体内の様々な臓器の機能が改善されたのです」

具体的な効果も、判明している。

「例えば、睡眠の質が高く保たれ、記憶能力が高まり認知機能も改善することが確認されています。眼の機能も調べました。マウスは歳を取ると網膜の機能が下がるのですが、eNAMPTの投与で眼の網膜機能も向上します。インスリンの分泌も良くなることが分かっています。見た目も健康そうな状態が保たれます

 

同時に行った人間への調査でも、同様の現象が確認されたという。

「30代から80代の男性における調査でも、eNAMPT量が減少していました」

老化による臓器の機能の低下を抑制するだけではなく、様々な抗老化作用が実験で分かってきた。eNAMPTは、NMNと並んで、人類にとって、「夢の若返り」を実現に導く物質になる可能性を秘めている。

eNAMPTは、すでに開発されているNMNと同じく、まさに夢の“長寿薬候補”なのである。但し、その今井教授は、NMNについては、「クスリ」ではなく、「ニュートリシューディカル(栄養として認識されるような生体物質)」と呼ぶ。

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