私は仕事でジェンダーに関する講演や執筆をしているため、家で子ども達ともジェンダーに関することをよく話す。

「●●くんが『女のくせに!』って言っていたよ! だめだよね」

「保健室の先生が『男だから何色、女だから何色』って決めるのはダメ、って言っていたよ」

学校の様子を話す時も、こうしてジェンダーの視点が入ってくる。

「ジェンダー」とは、社会的な性差を意味する。

例えば、「男だから泣くんじゃない」とか「男だからちゃんとした(妻子を養えるような)仕事に就きなさい」と言われたことがある男性は、少なくないだろう。背景には「男性は強くあるべき」「経済力をもって一家の大黒柱になるべき」という社会に染みついた考えがある。

また、女性の場合は活発だったり気が強いと「女の子らしくしなさい」と言われたり、結婚や出産をすべきと言われた経験がある人も少なからずいるだろう。こういう発言の背景にも「女らしさ」に関する周囲のプレッシャーがある。

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こういうものを「ジェンダー規範」と呼ぶ。私の仕事はこの規範から、いかに人の考えや行動を自由にしていくか考えることだ。

食事中など、ふとした雑談の折にこんな話をしているから、小学5年生と2年生の子ども達もしょっちゅう「それはジェンダーだよ」「そういう風に決めつけちゃいけないよ」と言っている。私自身にも無意識のバイアスがあり、子ども達に指摘されて気づくことはたくさんある。大人同士では遠慮して言わないことを、ズバリ言ってくれる子ども達との会話は発見に満ちている。今日はそのひとつをご紹介したい。