結局、固定観念があるかないか

とるだけ育休状態の人は、その前の私生活でも大変な人を見捨て、自分のしたいことばかりして、社会でもそのように振る舞う人だったのだろうか……?そういう人もいるかもしれないが、社会では礼儀正しく、誰かのために頑張ったりもしてきている人たちが大多数ではないだろうか。

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たくさんの夫婦に取材して、たくさんの夫婦を見て私が出した結論は、わかりきったことだった。「育児家事は女がするもの」「男は仕事をするもの」という固定観念があるかどうかの違いだった。この固定観念がある人に、いくら丁寧に上記のことを説明しても理解してもらえないのである。

なぜ理解できないかを理解するために、こういう時はそのジェンダーロールを自分に降臨させて考えてみる。

「本来女性がする仕事を男性が手伝っているよ? 手伝っている人って悪い人なの?」

「体がズタボロ? 病気じゃないから大丈夫だよね、みんな元に戻っている」

「それに産後って確か母性本能でスーパーウーマン状態になるんだよね? 男性よりも赤ちゃんの泣き声に気付けたりするんでしょ? やっぱ母親にはかなわないや」

「おっぱいにはかなわないよ。男には育児でできることがそもそも少ない」

「うちのお母さんはほとんど一人でやってたし、お父さんも手伝っていなかったそうだよ」

「いやあ、女性は強いですね、そんなこと男性にはできないですよ、かないませんわ」

こんな気持ちなのかなと思う。

固定観念の上に、正確な情報を持っていない都市伝説を自分の都合の良いように解釈している、さらに「お母さんができたんだからお前もやれ」も乗っかっているように感じる。

対して、育児家事を自分ごととしてする男性は、妻が妊娠中の時に自ら育児のことや産後の女性の体のことを調べている。知識があるから的確に動ける。固定観念があるとそもそも、調べることからも遠のくだろう。「それは俺じゃなくて妻が調べることだから」と。