自衛隊の現役幹部、衝撃告白「災害支援隊になってゆく私たちの葛藤」

知られざる内外の懸念
松岡 久蔵 プロフィール

私の同僚にも、上官に『「てにをは」が気に入らない』と報告書を何回も突き返されてノイローゼになった隊員がいました。幹部の部屋には基本的に産経新聞しか置いていませんから、イデオロギー的に偏っていることも多い。そういう幹部が米軍のエリートに『ブレクジットについてどう思うか?』などと聞かれても、まともな話ができるわけがない。向こうからは『なんでコイツがこんなに偉いんだ?』と思われているでしょう」

 

世界情勢の激動の中で…

戦後の日本は現場力が支えてきた。優秀な技術者や営業マンのミクロな努力が、時代に合った製品やサービスを生み、国の地位を押し上げてきた。しかし大局を考えずとも、ひたすら目の前の仕事を片付ければ結果が付いてきた時代はもう終わった。

米中が突入した「新たな冷戦」を見るまでもなく、世界のパワーバランスは再び大きく揺れ動いている。いつ米国が「ひとり立ち」を要求してきても、いまやおかしくない。自衛隊にも、己を組織に捧げる「兵隊」だけでなく、大局を見極めリスクとリターンを吟味し、決断を下せる「将」が必要になっているということだ。

しかし、いまの陸自内部には、そうした理想とかけ離れた惨状がある。組織改革の足かせとなっているのが、幹部養成学校である「防衛大学校」が抱える問題である。(以下、第2回につづく)