日本を代表する憧れリゾートの一つである星野リゾートは、なぜこれほどまでに多くの人を引きつけるのでしょうか? ホテルジャーナリスト・せきねきょうこさんが各施設の魅力を紐解きます。

第2回は、せきねきょうこさんが「星のや軽井沢」を愛する理由をご紹介。景観・客室・料理・アクティビティ・環境活動の5つのポイントについて、じっくり語っていただきました。

POINT 1:ランドスケープ(景観)

標高の高さと清浄な空気に
四季の彩りが映し出す景観美

活火山である浅間山の標高は2568m。その山麓に広がる軽井沢町の標高も900~1000mあります。亜高山帯の自然植生を残した周辺はカラマツの天然林が残り、野生動物が多く生息しています。イヌワシ、ツキノワグマの生息地でもあることから、日本でも重要な野生動物の生態が残る地域とされ、宿の周辺は国指定浅間鳥獣保護区として認定されています。

またクリやミズナラ、カラマツなどが鬱蒼と茂り、「国設の森」として美しい姿を見せてくれるのも、この周辺の魅力です。そんな森には、年間を通し約80種類の野鳥が観察できるといわれ、ホテル敷地内でさえ、ムササビが木と木の間を飛ぶ姿が目撃されるほど。

エコツーリズムの専門集団である「ピッキオ(イタリア語でキツツキの意味)」主催のアクティビティには「野鳥の森ネイチャーウォッチング」や、「空飛ぶムササビウォッチング」などがあり、興味のあるものに参加してみるのも楽しみです。

こうした環境にある「星のや軽井沢」には、軽井沢の原風景“谷の集落”が再現され、渓流や池、棚田など、昔懐かしい集落のランドスケープが展開されています。

POINT 2:客室

静けさの保たれたヴィラタイプ、
水音、風の音、鳥の囀りがBGM

客室数は全77室。谷の集落と呼ばれるように、敷地には整地していない高低差があり、低地には渓流や池、棚田が、山側は鬱蒼と茂る木々に覆われています。客室棟はこうした多様なロケーションを利用し、タイプ別に造られました。

「星のや」全体の設計者である東利恵氏は、ここ軽井沢でも伝統を踏襲し、「設計上最も重要な課題」として広縁やテラスを造り、昔ながらの谷の集落の様子を「いつまでも眺めていたくなる場所」としてデザインしています。

敷地の中央部分には、千曲川水系の清流・湯川の水を湛える池があり、その池を囲むように並ぶのが人気の高い客室棟「水波の部屋」。水音を感じたり、テラスに出て夕暮れ時に池に行灯を浮かべる点灯の様子を眺めたり、見通しのいい贅沢な部屋です。

山側に造られ、木々に包まれる静かな「山路地の部屋」は、集落の高い位置に立ち、四季折々の木々の彩を間近に楽しめます。2階にある客室からは豊かな野鳥の森が見渡せます。「山路地の部屋」は、桜の春、新緑の初夏、黄金色や赤に染まる秋の紅葉など四季を楽しむかっこうの客室といえるでしょう。

庭の入り組んだ路地に点在する戸建ての客室は「庭路地の部屋」です。1棟ごとに趣の違う別荘感覚で、メゾネットもあれば、薪ストーブのある部屋も。愛犬連れで滞在できる客室は“早いもの勝ち?”なほど喜ばれています。