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巷では「新型コロナ差別」も…ドイツ人はいま何を恐れているのか

中国と親密なだけに厄介な大問題

メディアの報道とは裏腹に

2月1日は、イギリスがようやくEUから抜けた最初の日だったにもかかわらず、ドイツの国営放送は、第1も第2も、夜のトップニュースで新型コロナウイルスを取り上げたのには少し驚いた。新ウイルスは、ドイツ人の頭の中で急激に増殖し始めている。

 

ここ数年、ドイツでは中国人がとても多いので、ドイツ人は街でアジア人を見ると、皆、中国人と思うようだ。だから、現在の状況では、彼らはウイルスを警戒するあまり、私とすれ違うときには息を止めるだろうなどと思っていた矢先、はたしてスーパーで一人の男性が話しかけてきた。

「喉が痛いんだけど、何かアドバイスをしてくれませんか」

嫌がらせのつもりだろうか? ちょっと呆れて、「私は日本人ですけどね」というと、拍子抜けしたような顔で去って行ったが、とても不愉快だった。咳の一つでも吹っかけてあげればよかった。

ドイツでの新型コロナウイルスについてのこれまでの報道を、時系列で整理してみたい。

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1月27日、ドイツで最初の感染者が確認された。当該感染者は、ミュンヘン近郊の自動車部品を広く扱っている中堅企業ヴェバスト(Webasto)社の社員(33歳)。同社に研修に来ていた中国人女性から感染したそうだが、彼女はドイツにいた間は何の症状もなく、帰国の飛行機の中で初めて体調の不調に気がついたという。

そこで、急遽、検査した結果、社員3人の感染が発覚。しかもその後、社員の子供(5歳)にまで感染していることがわかり、これを機に国民がだんだん神経質になり始めた。

2月5日現在で、ヴェバスト社の関係者で感染しているのは11人。しかも一人は、休暇でスペインのカナリア諸島に行ったところで発症した。だから、スペイン初のコロナ肺炎患者はドイツ人だ。感染者は、現在、子供2人も含めて皆、軽症だという。