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中国はアメリカに勝てるか…全世界から有能人材を集める最強国の力

アメリカは寛容性を失いかけている

アメリカは世界中の能力のある人々に成功のチャンスを与え、それによって発展してきた。中国は、その対極にある。

しかし、アメリカも中国も、これらの点に関して変質しつつあるのかもしれない。

 

貧しい中国系移民の大成功物語

アメリカの法学者でありエール大学の教授であるエイミー・チュアは、著書『最強国の条件』(講談社、2011年)の中で、他民族を受け入れる「寛容性」こそが、覇権国にとっての最も重要な条件だと述べている。

これは、彼女自身の経験にも基づくものだ。

この本の「あとがき」で、彼女は、自分自身の一家の歴史を書いている。これは大変感動的な物語だ。

彼女の祖母父は中国の広州人。そして、父母は、生まれは中国で、フィリピン育ちという典型的な華僑の家系だ。チュア家は、そこでアルミ製缶業をやっていた。

ところが、エイミーの父親であるレオンは、家業を継がず、MIT(マサチューセッツ工科大学)の奨学金を得て、1人の知己もいないアメリカに渡った。

渡米後2年で博士号を取得。31歳で大学教授となって、終身在職権をえた。そして、カリフォルニア大学バークレー校という一流校の教授となり、カオス理論で世界的に名を知られる数学者となった。

子供たちには学校の成績で完璧を求め、成功させた。

チュアは、自分の父親を「典型的なアメリカ人」だといっている。そして、『最強国の条件』は、アメリカの寛容性に対する賛辞として書かれたと言っている。