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テクノロジー基礎教養が必須になる理由
現代新書編集部 プロフィール

メガテクノロジー「3+1」の構図

まずは、最低限押さえるべき全体像から始めたい。10〜11ページの図「2020年代のテクノロジーの構図」は、2年後の未来を考えるうえでの核となるテクノロジーの相関を示したものである

本書10~11ページ「2020年代のテクノロジーの構図」

この図は私の大まかな仮説にすぎず、5年毎ぐらいに要素、構成も変わっていくだろう。

ここで何よりも重要なことは、これからの企業はデータ・テクノロジーを活用できなければ確実に衰退し、淘汰されていくという現実だ。そのデータ・テクノロジーの主役が、人工知能(AI)5Gクラウドの3つのメガ(基幹)テクノロジーである。

これらの3つが組み合わさることで形成される三角形=トライアングルの力こそが、次代の産業・社会・国家を大きく変えていく原動力となる。とくに次代の企業は、そのすべてがこのトライアングルによって生まれるか、新しく生まれ変わることになる

 

より具体的に見ていこう。

図の中心にあるのはデータとアルゴリズムをもとに「判断」を行い、「人間の作業を代替する」ためのテクノロジー、人工知能(AI)である。AIは1956年に提唱された概念で、2度のブームを経て現在は3度目のブームを迎えている。そのきっかけとなったのがディープラーニング(深層学習)だ。

ディープラーニングは、人間の脳の仕組みを模したニューラルネットワークが基本となっている。情報を入力する層と、答えを出力する層の間に、情報を判断する層を多層(ディープ)に重ねたため、その名で呼ばれている。

犬を犬と判断するには、本来はいくつもの特徴を総合的に判断しなければ特定できないはずだ。ディープラーニングが登場する前のマシンラーニング(機械学習)では、ある一つのパターンを人間が細かく設定し、それをAIに犬と認識させた。AIは、そのパターンに当てはまるものだけを犬と判断し、当てはまらないものを犬ではないと判断した。そのため、大雑把な判定しかできなかった。

ところが、ディープラーニングでは目、耳、鼻、口、体型などを多層に分け、それぞれのパーツにおける犬の特徴を膨大なデータを使って自ら学習していく。この学習によって、犬であるか犬でないかの判断の精度が上がっていく。