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テクノロジー基礎教養が必須になる理由
現代新書編集部 プロフィール

これからの時代に必要なのは、テクノロジーの基礎的な教養だ。

もはや、テクノロジーの知識が必要なのはエンジニアだけとは限らなくなった。なぜなら今後のテクノロジーはあらゆるビジネスに直結し、テクノロジー抜きにビジネスは成り立たなくなってくるからだ。本書は未来のテクノロジー・ビジネスの入門書である。本書で全体の理解を深めた後に、各分野の専門書へと進んでいただければと思う。

テクノロジーが企業を選ぶ時代に

なぜ、私が本書の執筆を考えるようになったのか。

私は、日本の大学、大学院時代に理系の勉強に取り組み、卒業後には金融機関に就職してビジネスの世界を熟知した。その後アメリカの大学に留学し、理系、文系問わずさまざまな種類の学問を勉強した。留学後はテクノロジーの最先端企業グーグルで4年間にわたってむさぼるように学び、転職後は投資家としてさまざまな起業家をビジネス面、テクノロジー面から評価、支援する仕事に就いている。

テクノロジーとビジネスの〝交差点〟に立っている私からすると、テクノロジーがビジネスを新たなステージに導き、場合によっては国家そのものまで変えてしまう時代が目前に迫っているのに、その事実がほとんど意識されない現実に歯がゆい思いがする。これまでの時代は企業が自社で活用するテクノロジーを選んできた。だが、これからはテクノロジーが企業を選ぶ。これから本書でつぶさに見ていくテクノロジーを使いこなせない企業はほぼ間違いなく淘汰されるからだ。

 

中国企業ファーウェイの製品調達を禁じるアメリカ政府の決定、フェイスブックが始めようとしていた仮想通貨「リブラ」をめぐる騒動、そして2019年末に突如として発表されたヤフーとラインの統合……。これらの出来事について本当の意味を理解しようと思えば、基本的なテクノロジーの知識が不可欠だ。

当然のことながら、テクノロジーとビジネスは切っても切り離せない。だとすると、テクノロジーの知識を持っていないと、ビジネスすら語れなくなるのだ

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多くの日本人にとって、フェイスブックはSNSを運営するアメリカの企業という認識しかない。60兆円を超える時価総額を持ち、「リブラ」「フェイスブックペイ」をはじめ、これから世界の通貨を左右するかもしれない存在である事実を知る人はさほど多くはない。その事実を知っていても、それが世界にどれほどのインパクトを与えているかをテクノロジーを足がかりに語れる人はほとんどいない。情報の断絶が起こっている