腰痛・肩こりは、動かさないと痛くなる…治すための「ツボ」とは?

まずは体を動かすことから始めよう
谷川 浩隆 プロフィール

「動かしたくない」気持ちを変えるには?

では「その気になる」ように発想を変えるにはどうしたらいいでしょうか。

それにはまず「決めつけない」ということが一番大事です。「そんなことしたってどうせ腰痛(肩こり)は治らない」、「自分で動かせば治るなんて虫のいい話があるわけがない」といった決めつけがある限り発想は変えられません。心の中で「決めつけない、決めつけない」とたえず、くりかえしてみてください。

日常生活の言動などでわかりやすく何か変えるべきことはないのでしょうか?あります。いったん信じてみることです。「本当に?」「そんなことあるの?」などという言葉は慎みましょう。疑ったって何もいいことはないのです。前向きに、朗らかに、肯定的で積極的に「やってみよう」「ためしてみよう」と心の中で唱えてください。これだけで認知行動療法の半分はできているようなものです。

時にはブラック・ジャックのような厳しさが必要

本を読んだって、ネットを見たって、こんなことあまり書いてありません。どうしてでしょう。

答えは簡単。「優しくない」からです。「自分でやってみろ」などという答えよりも、ネットをみているみなさんは「先生が治してあげるからね」「やってあげるからね」という医者のほうが断然優しいと感じます。だれでも優しい医者が好きだし人気もあります。

患者さんを叱ったり暴言を吐く医者は論外です。そういう医者はとっとと変えてしまいましょう。でも、優しくて口当たりのいいことばかりいう医者も用心です。優しいけれど、なかなか治らないからずっと通院している。それもいいかもしれません。

しかし、ときに患者さんの耳が痛いようなことをいう医者も必要です。40年前に多くの青少年が毎週競って読んでいた手塚治虫の「ブラック・ジャック」を思い出してください。ブラック・ジャックは名医ですが、現代ではとてもコンプライアンス上、許されないような、患者さんの覚悟を試したり、厳しいことを言ったり。そんなところもブラック・ジャックの魅力だったはずです。そんな医者が名医だった時代も確かにあるのです。

腰痛に一番効果的な運動とは?

誰かに治してもらおうと思っていたら、あなたの腰痛は百年たってもそのままです。自らを変えて「決めつけず、あせらず、あきらめず」腰痛や肩こりを治していきましょう。

慢性の腰痛では、運動療法は薬と同じくらい効くことがわかっています。急性の腰痛でも、痛みに応じて初期からからだを動かしていくことが重要であるといわれています。

でもどんな運動がよいのか、どんな動かし方をしたらいいのか、みなさん悩むところです。ネットを検索すると無数の「腰痛体操」が出てきます。この中からどれを選んだらいいのか、それだけでストレスになってしまいそうです。

そこで手っ取り早くて、しかも一番効果的な運動を紹介します。それは「歩く」ということです。そして認知行動療法のエッセンスを加味したウオーキングがマインドフルネス・ウォーキングです。くわしくは講談社現代新書「腰痛は歩いて治す からだを動かしたくなる整形外科」をご覧ください。