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「平均寿命15歳」の難病少年、それでも「夢」を抱いて生きるワケ

「諦め」を重ねたあとに見えたもの

「15歳」の誕生日が近づいてきた

今月15歳の誕生日を迎えるミウラタケヒロくん(14歳)。多くの人が、親しみを込めて彼のことを「TK」と呼ぶ。TKは名前のTAKEHIROから。新生児から中学校頃までの子どもたちの診療を行う、こども病院の中で一緒に育った幼馴染がつけたあだ名だ。

必死に生きるTKくんと母親のユウさん

TKは幼少期のほとんどの時間をこのこども病院で過ごした。彼は複雑心奇形という先天的な心疾患を抱えている。初対面の時、TKは自ら「僕は平均寿命15歳と言われています」と自己紹介をする。“寿命”という言葉が少年の口から飛び出すと、私を含め多くの大人がどう表情をつくればいいか困惑する。

それだけ、私たちは「死」は縁遠い話だと思っている。

 

私とTKとの出会いは、ライターの私が制作に関わらせていただいた吉藤オリィさんのご著書『サイボーグ時代』(きずな出版)が縁となった。オリィ研究所の吉藤オリィさんは、分身ロボットOriHimeの開発者だ。人間の「もう一つの体」を作ることで、距離や身体的問題によって行きたいところに行けない人の課題を解決している。オリィさんは、テクノロジーの力によって人間の孤独を解消することをミッションとしている。

TKもこのミッションに共感するOriHimeユーザーのひとりだ。

TKの障害は見た目からはわからず、最初会った時、私は「この子、体のどこが悪いんだろう?」と不思議に思った。“内部障害”。言葉では知っていたが、TKとお母さんのユウさんと話をするようになり、見た目ではわからない障害のことを本当の意味で理解した。

TKの話を聞く中で、いくつも驚いたエピソードにぶち当たった。彼は人よりも短い可能性の高い人生を後悔のないように生き抜こうと、会いたい人に会う活動を続けている。キングコング西野亮廣さんに絵本展開催の相談をし、14歳の誕生日には「大好きな人とUSJ(ユニバーサルスタジオジャパン)に行きたい」というTKの呼びかけにホームレス小谷さん、with ALS代表の武藤将胤さんなどが集った。

2020年2月16日、TKは一つの節目となる15歳の誕生日を迎える。現在、その15歳の誕生日をゴールに据えたクラウドファンディングにも挑戦中だ。そこでは、TKのこれまでのヒストリーと現在の活動、そして挑戦への第一歩を綴る書籍の制作に向けて支援を呼びかけている。

TKには叶えたいたくさんの夢があり、様々な人に会い、そして行動を続けている。なぜ、彼は前を見つめて生きていくことができるのだろう。TKの生き方に、私たちが学ぶことは多くあるように思う。TKと母・ユウさんに聞いた、彼が生きてきた軌跡をお伝えする。