# ホラー

「犬鳴村」が“日本最恐”と呼ばれる存在になった「納得の理由」

映画公開でも大きな話題に
朝里 樹 プロフィール

「杉沢村」伝説との相違点

犬鳴村と並んで有名な消えた村の怪談に、青森県を舞台とした「杉沢村」がある。

これは青森県のある村で起きた大量殺人事件が背景として語られる。昭和初期の頃、精神に異常をきたした村の青年が、一夜にして村人全員を殺害し、自らも命を絶ったというのだ。それによって住民のいなくなった村は廃村となり、地図からも消されることとなった。

しかしこの村がこの世から消え去ったわけではなかった。杉沢村は今でも青森県のどこかに存在しており、迷い込んできた生きた人間に牙を向くという。

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村を訪れた者の話によれば、村の入り口に続く道の途中には、「ここから先へ立ち入る者、命の保証はない」と書かれた看板がある。また村の入り口には朽ちた鳥居と、髑髏のような形の石がある。そのまま村へ進むと、大量の血痕がこびりついた廃墟が現れ、自動車で村に入るとフロントガラスを大勢の何者かに叩かれ、ガラスには血の手形が一面に付着するという。

そして杉沢村に侵入した人間は生きて出ることはできないか、仮に帰ることができても恐怖により精神を壊されたり、数日後には原因も分からず失踪してしまうなどとされる。

皆殺しにされた村人たちは今でも悪霊となって、村の中をさ迷っているのだ。

 

これが杉沢村の概要だが、地図から消えた村、村の入り口に続く道に立てられた、村に入ることに対する警告を記した看板、村へ入ると無事に出ることができないなど、犬鳴村と共通する部分は多い。しかしひとつ“大きな違い”がある。

それは、杉沢村が死者の霊が襲ってくるのに対し、犬鳴村は生きた人間が襲ってくるということだ。