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販売解禁「ゲノム編集」食品、やたら「危ない」とあおる人たちの真実

陰謀論に惑わされるな
松永 和紀 プロフィール

ゲノム編集は狙って変異させる

これらは、要らない遺伝子変異を除去する作業となるため、科学者の中には「従来の品種改良は、断捨離の技術です」と言う人もいます。

だれでもわかることですが、わざわざ変異させてそれを捨てるのですから無駄が多く、手間がかかり、時間もかかります。これらの従来法では、新しい品種を確立するのに数年〜数十年かかります。

一方、ゲノム編集は、ゲノムの狙った部位のみを突然変異と同じように切って変異させます。

原則として、それ以外は切りません。そのため、従来の方法に比べれば時間が短くて済み1年〜1年半ぐらいでできる、と報告されています。栽培回数も少なく、開発コストが大きく下がります。

ゲノムの特定の部位を切る酵素を、細胞中に入れたり作らせたりして、切る。ほとんどの場合には元通りに修復されるが、自然の修復ミスが起きて一部が欠けたり置き換わったり挿入されたり、という現象が起きる。それが、好ましい変異につながる。 出典・農水省「ゲノム編集〜新しい育種技術」
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結局のところ、ゲノム編集でできる品種は、従来の品種改良法でも作成可能です。しかし、開発時間やコストを圧倒的に縮小できるところに大きな価値があるのです。

現代は、人口増に合わせた食料増産が必要です。また、気候変動により環境変化のスピードが著しく速くなっており、栽培適地や病害虫の被害などもめまぐるしく変わってきています。そのため、品種改良のスピードアップが強く求められています。

日本の研究機関でも、ゲノム編集技術による品種改良がさまざま行われており、食料の高品質化や生産力向上、気候変動対策などに期待がかかる。(2019年12月、農研機構で)
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