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販売解禁「ゲノム編集」食品、やたら「危ない」とあおる人たちの真実

陰謀論に惑わされるな
松永 和紀 プロフィール

「遺伝子をいじる」のは、ほかの品種改良も同じ

なぜ届出制? 安全性の審査がなくて大丈夫? そう思った人、多いかもしれません。

昨年9月にNHKで放送された番組「クローズアップ現代」でも、消費者団体の代表の方が言っていました。「ゲノム遺伝子をいじるということは、非常に危険なことなのに……」

うーん、その誤解を解きたい!どんな品種改良も、ゲノムの遺伝子をいじっていることに変わりありません。

たとえば、おいしいけれど病気に弱い品種Aと、まずいけれど病気に強い品種Bがある場合、おしべとめしべを掛け合わせる「交配育種」ではまず、AとBのゲノムが混じり合い、AとBの遺伝子のさまざまな組み合わせを持った子どもができます。

その後に何度かA品種を交配させてそのたびにBの遺伝子を除外し、ほとんどの遺伝子はAでおいしく、でも、Bの病気に強い遺伝子もしっかりと持った系統を選び出し新品種に。つまり、ゲノムを改変し選び出しているのです。

交配育種の模式図。掛け合わせる段階で、ゲノムが改変されている。出典・農水省「ゲノム編集〜新しい育種技術」
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「突然変異育種」では、おいしいけれど病気に弱いA品種に、強い放射線をかけたり化学物質にさらすなどして、ゲノムの遺伝子を切断し、それによって病気に弱い遺伝子が変異するのを狙います。

 

しかし、放射線や化学物質は、たくさんの遺伝子を区別なくランダムに切るので、目的外の遺伝子もかなり多くが変異します。そこで、A品種を何度か交配させて選抜し、病気に弱い遺伝子だけが変異したものに戻して行く、という交配育種と同じ工程が必要となります。

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