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販売解禁「ゲノム編集」食品、やたら「危ない」とあおる人たちの真実

陰謀論に惑わされるな
松永 和紀 プロフィール

「アメリカのゲノム編集大豆が豆腐に…」はウソ

でも、輸入食品なら、すぐに食卓に……。その通り、なのですが、実は海外でも、商用化されているゲノム編集食品はまだ数少ないのです。

しかも、どれも毒素が少なかったり高栄養を売りにするなど特徴があり、高く売ろうとして開発されています。まずは本国でのアピールが先で、すぐに日本へ輸出、とはならないでしょう。

たとえばアメリカでは、健康に良い不飽和脂肪酸の一種、オレイン酸を多く含む大豆がゲノム編集で開発され、その大豆から抽出された食用油の販売が始まっています。「この大豆が豆腐や納豆、味噌になって、日本のスーパーに並んでいるかも」と煽る“識者”がいますが、それはあり得ません。

なぜならば、品種がまったく異なるからです。豆腐や納豆、味噌などになる大豆は、たんぱく質が多く油が少なく、味のよい加工製品になるように、品種改良されています。一方、油用の原料大豆は油分が多い品種です。

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豆腐や納豆、味噌用については多くの場合、日本の食品メーカーや商社の社員が海外に足を運んで大豆の品質を吟味し、契約栽培を依頼し、高い価格で購入しています。油用の大豆の混入なんて許そうとはしません。

 

それに、この高オレイン酸大豆を開発したCalyxt社は、契約栽培してもらい加工も管理し、高付加価値の大豆油として、店も限定して売り出しているのです。しかも、現在のところ契約栽培している農家はまだ130戸。

そんな大豆が、日本の豆腐や納豆の原料に入り込むはずがありません。「アメリカが……」という陰謀論には、だまされない方がいいですよ。

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